高齢期には、加齢によって身体機能や体の各臓器の働きが衰えるため、
内分泌機能は様々な変化が起きる。
⑴ 血中アルブミン濃度は、〔 低下 〕する。
加齢とともに血中アルブミン濃度は低下する。
アルブミン合成は肝臓で行われるため、
老化による肝臓の機能の低下などが原因で低下すると考えられる。
〇⑵ 血中副甲状腺ホルモン(PTH)濃度は、上昇する。
正しい文章である。
加齢によって腸管からのカルシウム吸収が低下すること等から、高齢者では血中のカルシウム濃度が低下する。
そのため、副甲状腺ホルモンを分泌して血中カルシウム濃度を上げようとする。
このホルモンの働きで骨吸収が促進されることも、高齢者の骨密度の低下の原因となる。
⑶ 血中ホモシステイン濃度は、〔 上昇 〕する。
加齢によって血中ホモシステイン濃度は上昇する。
ホモシステインは血中のアミノ酸の1つである。
ホモシステインをメチオニンに変換するためにはビタミンB12や葉酸、
ホモシステインをシステインなどに変換するためにはビタミンB6が必要である。
ビタミンB12、葉酸、ビタミンB6が欠乏するとこれらの変換が行われず、
ホモシステインが体内に蓄積する。
⑷ エリスロポエチンの分泌量は、〔 減少 〕する。
エリスロポエチンは赤血球の産生を促進するホルモンで、主に腎臓から産生・分泌される。
加齢によって腎臓の細胞数が減少し、腎臓の機能も徐々に低下する。
そのため、腎臓でのエリスロポエチン産性能も低下していく。
⑸ 獲得免疫系機能は、〔 低下 〕する。
獲得免疫系機能は20代頃をピークに、高齢になると低下していく。
感染症が高齢者で重症化しやすいことや、逆にアレルギー等の自己免疫疾患が少なくなるという事からも、
免疫系機能が低下することが分かる。
類似問題
28-101 成人期に比較して高齢期に起こる身体的・生理的機能の変化に関する記述である。
文責:アヒル(O)