この問題は「組織増加分のエネルギー(エネルギー蓄積量)」を考える問題です。
推定エネルギー必要量などの定義をしっかり理解していれば、その過程で
この問題は理解できるのですが、
おそらく受験生のうち、かなりの人数が初見で、
なかなか解けない問題だと思います。
正直な話、毎年出るような問題ではないので
39回受験者などはそこまで理解しなくてもいい気がしますが
「類推して解く」というところはしっかり身につけてほしいと思います。
さて、初見の問題が出たときの【思考】も含めて解説します。
まず、すべきこととして知らない言葉の定義を推測しましょう。
ここでは「成長に伴う組織増加分のエネルギー」という言葉を見ていきます。
まず前半の「成長に伴う組織増加」ですがこれは単純に、
「成長することで筋肉が増える」とか
「体重が増える」とかそういったことを指すと類推できると思います。
そして後半の「(成長に伴う組織増加)分のエネルギー」ですが
「組織が増えた(筋肉などが増えた)分のエネルギー」と読み替えられると思います。
さらにここで、簡単な例として
・筋肉(たんぱく質)が増える
・太る(脂肪が増える) というのが、
体に「4kcal/gのたんぱく質」や「9kcal/gの脂質」がくっついた。
と考えることができると思います。
人間でイメージしづらければウシやブタの成長で考えてみてください。
身体が成長する=可食部が増える=全部食べたときのエネルギー(kcal)が増える
というのが想像できると思います。
そして、与えられた表より、
「組織増加分のエネルギー密度」が3.0kcal/gとわかります。
これは、「12~14歳女子の体重が1グラム増えると身体に3kcal蓄積される」という意味です。
4kcal/gや9kcal/gではない理由として、
増えるのは、たんぱく質や脂肪だけでなく0kcalの水(体水分量)も含まれるので
それらを平均した値が3kcal/gということです。
また、表の「体重増加量」から
「12~14歳女子の体重は1年で3.0kg増える」ということもわかります。
ここまでにわかった
「12~14歳女子の体重1gあたり3kcalである。」
「12~14歳女子の体重は1年で3kg(3000g)増える。」
を併せると
「12~14歳女子は1年間で身体に9000kcalが蓄積される」と考えられます。
3.0(kg) × 1000( kg → g の計算) × 3.0 (kcal/g) = 9000 kcal
さて、1年間で9000kcal蓄積することがわかりましたが
求めるべき[a]の単位は「kcal/日」です。
つまり「1日あたり何kcal蓄積しますか?」という単位です。
ここまでで1年で蓄積される量はわかっているので
1年=365日として、1日あたりの蓄積量を計算すれば完了です。
9000kcal/365日 ÷ 365日 = 24.65 ≒ 25
よって正解は(4)の25となります。
言葉の類推から
「12~14歳女子の体重が1グラム増えると身体に3kcal蓄積される」くらいまでは
何とか漕ぎ着けてほしいところです。
そして求める値は「1日あたり何kcal溜め込んでいるか?」なので
kg → gや、年→日への変換ができれば
上記の流れのように解けるかなと思います。
わからなければ動画を作成するので
ご連絡ください。
文責:アヒル