38-85 日本人の食事摂取基準(2020年版)における、12~14歳女子の成長に伴う組織増加分のエネルギーである(表)。表のaの値として、最も適当なのはどれか。

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38-85 日本人の食事摂取基準(2020年版)における、1214歳女子の成長に伴う組織増加分のエネルギーである()。表のaの値として、最も適当なのはどれか。1つ選べ。

⑴ 0.2

⑵ 0.7

⑶ 8.2

⑷ 25

⑸ 63

 

厚生労働省. 『第38回管理栄養士国家試験の問題(午前の部)』(2024) .

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001218343.pdf, (2024年8月18日閲覧)

 

解答・解説を見る

 

この問題は「組織増加分のエネルギー(エネルギー蓄積量)」を考える問題です。

推定エネルギー必要量などの定義をしっかり理解していれば、その過程で

この問題は理解できるのですが、

おそらく受験生のうち、かなりの人数が初見で、

なかなか解けない問題だと思います。
正直な話、毎年出るような問題ではないので
39回受験者などはそこまで理解しなくてもいい気がしますが
「類推して解く」というところはしっかり身につけてほしいと思います。

 

さて、初見の問題が出たときの【思考】も含めて解説します。

 

まず、すべきこととして知らない言葉の定義を推測しましょう。

ここでは「成長に伴う組織増加分のエネルギー」という言葉を見ていきます。

まず前半の「成長に伴う組織増加」ですがこれは単純に、

「成長することで筋肉が増える」とか

「体重が増える」とかそういったことを指すと類推できると思います。

そして後半の「(成長に伴う組織増加)分のエネルギー」ですが

「組織が増えた(筋肉などが増えた)分のエネルギー」と読み替えられると思います。

 

さらにここで、簡単な例として

・筋肉(たんぱく質)が増える

・太る(脂肪が増える)  というのが、

体に「4kcal/gのたんぱく質」や「9kcal/gの脂質」がくっついた。

と考えることができると思います。

人間でイメージしづらければウシやブタの成長で考えてみてください。

身体が成長する=可食部が増える=全部食べたときのエネルギー(kcal)が増える

というのが想像できると思います。

 

そして、与えられた表より、

組織増加分のエネルギー密度」が3.0kcal/gとわかります。

これは、「12~14歳女子の体重が1グラム増えると身体に3kcal蓄積される」という意味です。

4kcal/gや9kcal/gではない理由として、

増えるのは、たんぱく質や脂肪だけでなく0kcalの水(体水分量)も含まれるので

それらを平均した値が3kcal/gということです。

また、表の「体重増加量」から

「12~14歳女子の体重は1年で3.0kg増える」ということもわかります。

 

ここまでにわかった

「12~14歳女子の体重1gあたり3kcalである。」

「12~14歳女子の体重は1年で3kg(3000g)増える。」

を併せると

「12~14歳女子は1年間で身体に9000kcalが蓄積される」と考えられます。

3.0(kg) × 1000( kg → g の計算) × 3.0 (kcal/g) = 9000 kcal

 

さて、1年間で9000kcal蓄積することがわかりましたが

求めるべき[a]の単位は「kcal/日」です。

つまり「1日あたり何kcal蓄積しますか?」という単位です。

ここまでで1年で蓄積される量はわかっているので

1年=365日として、1日あたりの蓄積量を計算すれば完了です。

9000kcal/365日 ÷ 365日 = 24.65 ≒ 25

よって正解は(4)の25となります。

 

言葉の類推から

「12~14歳女子の体重が1グラム増えると身体に3kcal蓄積される」くらいまでは

何とか漕ぎ着けてほしいところです。

 

そして求める値は「1日あたり何kcal溜め込んでいるか?」なので

kg → gや、年→日への変換ができれば

上記の流れのように解けるかなと思います。

 

わからなければ動画を作成するので

ご連絡ください。

 

文責:アヒル


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