38-68 遺伝子多型に関する記述である。

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38-68 遺伝子多型に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。

⑴ 一塩基多型はSNPsと呼ばれる。

⑵ 後天的要因により生じる。

⑶ 出現頻度には人種差がある。

⑷ 生活習慣病の発症要因となる。

⑸ ヒトの集団の1%以上にみられる。

 

厚生労働省. 『第38回管理栄養士国家試験の問題(午前の部)』(2024) . https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001218343.pdf, (2024年7月14日閲覧)

 

解答・解説を見る

 

遺伝子多型とはヒトの遺伝子配列(塩基配列)における「個人差」のことを指します。

さらに、ごく稀に生じる「突然変異」とは異なり、

特定の集団の中で1%以上がその変異を持っている場合に限り「遺伝子多型」と呼びます。

「1%以上が有する変異」=「致死性の変異ではない」ので、

「お酒に強い・弱い」「太りやすい・太りにくい」などの体質に関わるものが多いです。

※「致死性の変異」の場合は出生前または出生直後に死亡するため人口の1%も存在しない。

 

また、遺伝子多型の中でも例えば、

DNAの「ATGCATGC」配列が「ATGCATCC」配列のように

一塩基のみ変化している場合を

「一塩基多型 (SNPsSingle Nucleotide Polymorphisms」と呼びます。

 

 

 

⑴ 一塩基多型はSNPsと呼ばれる。

正しい文章です。前段の解説の通り一塩基多型SNPs(スニップ)と呼ばれます。

 

⑵ 〔 先天的 〕要因により生じる。

遺伝子多型はDNAの塩基配列の違いによるものなので、

生まれる前には既に塩基配列が決まっています。

ですので「先天的」な要因によって生じます。

「後天的」な要因によるものとしては、出生後の放射線曝露や毒物によるDNAの損傷および修復時のエラーなどが挙げられます。

 

(3) 出現頻度には人種差がある。

正しい文章です。遺伝子多型の出現頻度は人種によってかなり偏りがあります。

アルコール代謝に関与する酵素の活性は、

欧米人が高く(お酒に強い)、日本人は低い(お酒に弱い)傾向にありますが

これはアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の遺伝子多型によるものです。

 

(4) 生活習慣病の発症要因となる。

正しい文章です。前段や(3)の解説の通り、遺伝子多型は「体質」に関わるものが多く

その中でも「太りやすい変異」や「脂肪分解に関わる変異」などを有する場合、それらが生活習慣病の発症要因のひとつとなります。

生活習慣病に関与するとされるいくつかの遺伝子多型は「倹約遺伝子」とも呼ばれることがあり、

誤肢として「倹約遺伝子は単一の遺伝子変異である」と出題されることがあるので注意しましょう。

 

(5) ヒトの集団の1%以上にみられる。

正しい文章です。前段の解説の通りです。

 

文責:アヒル


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