捨て問です!解けなくていい!
過去問をしっかり解いていても(2)以外はわからないと思います。
むしろ(2)は大豆油の製造で用いられる覚えておかなければいけない知識です。
油脂の製造方法についてはこちら https://nstudy.info/oil/
類似問題が今後も継続されるのか、2度と出題されないのかはわかりませんが
対策する必要があるかは・・・。
⑴ 精密ろ過は、主に〔 食品に含まれる微生物を取り除く 〕ために用いられる。
精密ろ過は0.1〜10µm以下の孔径のフィルタを用いてろ過をする手法で、
孔径(網目の隙間)よりも大きいものを除外することがきます。
具体的には日本酒やワインなどの液体から酵母(5~10µm)などを取り除くために用いられる。
また、火落菌(醸造中の清酒をダメにしてしまう細菌, 約1µm)の混入を防ぐために
清酒を仕込むための水を精密ろ過する場合もある。
いずれにせよ細菌や酵母を「殺菌」するのではなく、
ろ過することで「除菌」していると覚えてもらえればいいと思います。
※蛇口に取り付ける浄水器のイメージ
⑵ ヘキサン抽出は、〔 脂溶性成分 〕の抽出に用いられる。
この問題、この選択肢だけは必ず覚えておきましょう。
食用油を製造するときに用いられる方法の一つです。
オリーブやゴマなど搾れば油が出てくるものは「圧搾法」と呼ばれる、
「圧力をかけて搾り取る」方法で食用油を製造します。
一方で、大豆や米ぬかなど絞っても油が出てこないものは
「n-ヘキサン」という有機溶媒を用いて「脂質抽出」を行います。
これを「抽出法」といいます。
今回の選択肢はこの抽出法の話をしており、当然ながら「脂溶性成分」の抽出に用います。
また、
「食品表示法では、大豆油製造で抽出に使用されたヘキサンは、表示が免除される。」
旨の選択肢が過去に出たことがあります。しっかり覚えておきましょう。
〇⑶ 超臨界抽出は、コーヒーの脱カフェインに用いられる。
正しい文章です。
超臨界抽出はコーヒーの脱カフェイン、
ニンニクから臭気成分の除去、
ホップからのエキス抽出などを行なう手法です。
簡単な原理は下に書きますが、
はっきりいって覚えなくてもいいと思うので
読み飛ばしてもらって構いません。
二酸化炭素や水に、特定の温度、圧力を加えると
気体と液体の区別がつかない特殊な状態になります。
これを「超臨界流体」と呼びます。
「超臨界流体」の持つ
気体(いい感じに拡散する),液体(特定の物質を溶解する)の性質のいいところどりをして
食品から特定の成分を抽出します。
※わからんよね。物質の三態に当てはまらないものがこの世にはあって
重金属や強酸を用いず、水や二酸化炭素を用いて抽出できるから、クリーンでいいよね!
と注目されている方法です。まぁ用途だけ覚えておきましょう。
⑷ エクストルーダー加工は、〔 粉末や顆粒状 〕の食品の粉末化に用いられる。
「Extrude:押し出す」という言葉が名称のもとになっている機械で、
いわゆる「押し出し成形機」です。
粉末や顆粒, ペレット状の原料に水を加え練りながら
最終的には圧力がかなりかかった状態でノズルから押し出されてきます。
コーングリッツをもとにした東日本で買えなくなった(?)あのお菓子(←企業のHPに飛べます)も
エクストルーダーで製造されています。
そのほかに「大豆をもとにした代替肉」の製造にも用いられます。
⑸ 超高圧処理は、〔 ジャムやジュース 〕の製造に用いられる。
超高圧処理は「超高圧をかけることで加熱処理せずに食品を加工する」方法です。
本来、食品加工では加熱することが主流でしたが、
どうしても加熱することで食品の成分の変化、変性がつきまといました。
それを解決するのがこの超高圧処理で、加熱処理を行わずに
酵素の失活や食品の殺菌、食品成分の抽出などを行なうことができます。
文責:アヒル