日本食品標準成分表2020年版(八訂)ではエネルギー値の計算方法が少し変更され、
食物繊維総量、糖アルコール、有機酸なども換算係数(1gあたり何kcalか?)が算定されました。
※食物繊維総量のエネルギー換算係数は2kcal/gです。糖アルコールや有機酸はモノにより異なる。
その上で「食物繊維総量のエネルギー換算係数はいくらかを理解していますか?」という問題が
計算問題として出題されたものだと思います。
従来なら「(1) 食物繊維総量のエネルギー換算係数は2kcal/gである。」のように出題されていたと思います。
つまり、「受験生に計算させるぞ!」というよりは「換算係数を知っていますか?」という趣旨の問題です。
食塩相当量に関しても、計算させたいというよりは「換算係数を知っていますか?」です。
つまり計算問題だ!と焦ったり、嫌がったり、捨てたりする前に
覚えるところはしっかり覚えていきましょう。
【解法】
まずは埋めやすそうな b から考えてみましょう。
炭水化物(g)=糖質(g)+食物繊維(g) なので
糖質(g)=炭水化物 9g – 食物繊維 2g = 7g …bとなります。
次にaのエネルギーを計算していきます。アトウォーターのエネルギー換算係数の
糖質(4kcal/g), 脂質(9kcal/g), たんぱく質(4kcal/g)に加えて
食物繊維総量(2kcal/g)も使って計算していきます。
糖質:7g × 4kcal/g = 28 kcal
脂質:0g × 9kcal/g = 0 kcal
たんぱく質:2g × 4kcal/g = 8 kcal
食物繊維総量:2g × 2kcal/g = 4 kcal
以上を合計して 40kcal …a
最後に食塩相当量です。
食塩相当量は食塩以外のナトリウムも含まれるもので
〔 ナトリウム(mg) × 2.54 ÷ 1000 〕で計算できます。
よって、70(mg) × 2.54 ÷ 1000 = 0.1778 ≒ 0.2 …c
となります。ナトリウムの換算は臨床栄養の範囲でも出うるので
しっかり覚えておきましょう。
上記の2.54の計算を覚えてほしいところですが
どうしても覚えられない人向けに
正確には【食塩1g=ナトリウム393mg】というものを
ざっくりまとめて
【食塩1g ≒ ナトリウム400mg】ぐらいで覚えておきましょう。
これで計算してもおおよその値にはなります。
例) 70mg ÷ 400mg = 0.175 = 0.2
繰り返しますが理想は2.54の計算です。
無理そうならせめてこれくらいは覚えておいてほしい….
という苦肉の策が食塩1g ≒ ナトリウム400mgです。
〇(2) 40, 7, 0.2
文責:アヒル