38-54 食品中の有害物質に関する記述である。

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38-54 食品中の有害物質に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

 

⑴ デオキシニバレノールは、りんごを汚染するかび毒である。

⑵ ベンゾ[a]ピレンは、ヘテロサイクリックアミンの1つである。

⑶ アクリルアミドは、アスパラギンと還元糖の反応によって生成する。

⑷ N-ニトロソアミンは、アミノ酸とクレアチンの反応によって生成する。

⑸ ダイオキシンは、水溶性が高いため生物濃縮されにくい。

 

厚生労働省. 『第38回管理栄養士国家試験の問題(午前の部)』(2024) .

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001218343.pdf, (2024年8月13日閲覧)

 

解答・解説を見る

 

⑴ デオキシニバレノールは、〔 小麦 〕を汚染するかび毒である。

デオキシニバレノール小麦, 米, とうもろこしを汚染するかび毒です。

→小麦を対象に基準値が定められています。

りんごを汚染するかび毒はパツリンです。

→りんごジュースを対象に基準値が定められています。

 

⑵ 〔 Trp–P–1 〕は、ヘテロサイクリックアミンの1つである。

ヘテロサイクリックアミンは食品の燻煙焦げで生成される発がん性物質です。

ヘテロサイクリックアミン代表としてTrp–P–1Glu-P-1などがあります。

Trpはトリプトファン, Gluはグルタミン酸で、それらが元になって生成されます。

選択肢中のベンゾ[a]ピレンは、上記同様に燻煙焦げにより生成されますが

ヘテロサイクリックアミン類ではなく、ベンゼン環(六角形)がたくさん結合した

多環芳香族炭化水素(PAHs)と呼ばれるものです。

 

⑶ アクリルアミドは、アスパラギンと還元糖の反応によって生成する。

正しい文章です。アクリルアミドアスパラギン還元糖の反応、いわゆる「アミノカルボニル反応」によって生成されます。

ポテトチップスの製造などで生成されるとして出題されます。

 

N-ニトロソアミンは、〔 第二級アミンと亜硝酸塩 〕の反応によって生成する。

ニトロソアミンは煙草の煙などに含まれる発がん性の強い成分で、

体内では、亜硝酸塩(発色剤など) + 加熱(燻製など) or 胃酸 によって生成されます。

 

⑸ ダイオキシンは、〔 脂溶性で生物濃縮されやすい 〕。

「脂溶性の成分の方が体内に蓄積しやすい」という脂溶性ビタミンと同じ状態です。

日本人は食品内で濃縮されたものを摂取しています。

余談ですが「ダイオキシンの構造はベンゼン環が二つ仲良く手を繋いでいて可愛い」とよく言うのですが
ほぼ100%引かれます。

 

類似問題

35-56 食品中の有害物質に関する記述である。

32-59 食品中の有害物質に関する記述である。

30-57 カビ毒に関する記述である。

 

文責:アヒル


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