食べ物と健康の範囲の出題ですが、
本質的には生化学や基礎栄養学の知識があれば解ける問題です。
この辺りの知識をしっかり固めておくとこの問題は解けるようになります。
(1) エルゴステロールは、紫外線により〔
エルゴカルシフェロール 〕に変換される。
エルゴステロール→(UV照射)→エルゴカルシフェロール(ビタミンD2 : 植物系)
7–デヒドロコレステロール→(UV照射)→コレカルシフェロール(ビタミンD3 : 動物系)
です。組み合わせを覚える必要がどこまであるのかわかりませんが
エルゴ〜〜〜→エルゴ〜〜〜なのでこれだけセットにしておくといいと思います。
(2)
L–デヒドロアスコルビン酸は、抗酸化作用を〔
もたない 〕。
少し難しいですが「デヒドロ」=「酸化型」なので
デヒドロビタミンCは「酸化した後(何かを酸化から守った後)」=「抗酸化作用を発揮した後」ということになります。
酸化防止剤としての役目を終えた状態なので「抗酸化作用」は失っています。
ただし生体内にはデヒドロビタミンCを還元する酵素があるので、
その酵素によって還元され、元のビタミンC(アスコルビン酸)に戻り、再び抗酸化作用を発揮してくれます。
(3) シアノコバラミンは、分子内に〔
コバルト 〕を含む。
基礎栄養学の範囲で頻出です。ビタミンで唯一「金属を含む」のが「ビタミンB12(シアノコバラミン)」です。
コバルト+アミン=コバラミン なので覚えやすいと思います。
午前の部で登場するコバルトは
「B12(シアノコバラミン)の構成材料」か「じゃがいもの発芽抑制にコバルト60からのガンマ線照射」
(4) β–カロテンは、〔
脂溶性 〕の色素である。
β-カロテンは生体内でビタミンAに変換される「プロビタミンA」です。
脂溶性ビタミンであるビタミンAのもとになる化合物なので当然ながら脂溶性です。
〇(5) リボフラビンは、紫外線に対して不安定である。
正しい文章です。リボフラビン(ビタミンB2)は光やアルカリ性下で非常に壊れやすい性質を持っています。
B2がたくさん含まれている、チオ○タドリンクなどは茶色(褐色)の瓶に入っていますがあれは「遮光」をするためです。
※わざと紫外線を当てて、リボフラビンを分解し、ブラックライトで光らせるような実験もあります。
文責:アヒル