糖尿病の3大合併症として
「神経障害」「網膜症」「腎症」があります。
網膜は「眼」と置き換えて、3つの頭文字「しめじ」で覚えましょう。
※神経, 眼, 腎
〇 (1) 高浸透圧高血糖状態は、急性合併症である。
正しい文章です。
高血糖状態になることで血液の浸透圧が高くなり、「血管外から血管内へ」水が流入します。
このとき、脳などの組織からも水分が血管へと移行するため
脳が脱水状態となり意識障害などが生じる場合があります。
(2) 糖尿病網膜症の〔
末期 〕にみられる自覚症状は、失明である。
初期に生じるのは眼底(網膜)の出血や白斑などです。
それらが悪化していくことで「網膜剥離」などが生じ、最終的に「失明」に至ります。
※本番でこの選択肢がわからなかった場合、
「初期から失明」は恐ろしすぎるし、そんな話聞いたことないな・・・でバツにするのもアリです。
〇 (3) 浮腫は、腎症の症状である。
正しい文章です。糖尿病の合併症のひとつに「腎障害(腎症)」があります。
この糖尿病性腎症における浮腫は2パターンの機序があります。
ひとつ目は「ネフローゼ症候群」により、アルブミンを尿とともに体外に排泄してしまうことで
低アルブミン血症となり、血漿膠質浸透圧が低下し血管外へ水が移行し浮腫が生じます。
ふたつ目は「腎不全」に起因する「尿量の減少」です。
尿量が減少する=循環血液量の増加=血圧上昇となり
血管内から血管外へ水が移行し浮腫が生じます。
〇 (4) 起立性低血圧は、神経障害の症状である。
正しい文章です。
糖尿病の合併症のひとつに「神経障害」があります。
そして、自律神経が障害されることで血圧の調節機構がうまく働かず
起立性低血圧を引き起こしてしまいます。
〇 (5) 急性心筋梗塞は、大血管障害である。
正しい文章です。
高血糖状態が継続すると血管内皮に傷がつき、その部分をきっかけに動脈硬化が進みます。
選択肢中の「大血管障害」は大きな動脈(太い動脈)が動脈硬化することで生じる
心筋梗塞や脳梗塞などを指します。
文責:アヒル