38-24 糖尿病の合併症に関する記述である。

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38-24 糖尿病の合併症に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。

⑴ 高浸透圧高血糖状態は、急性合併症である。

⑵ 糖尿病網膜症の初期にみられる自覚症状は、失明である。

⑶ 浮腫は、腎症の症状である。

⑷ 起立性低血圧は、神経障害の症状である。

⑸ 急性心筋梗塞は、大血管障害である。

 

厚生労働省. 『第38回管理栄養士国家試験の問題(午前の部)』(2024) . https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001218343.pdf, (2024年7月16日閲覧)

 

解答・解説を見る

 

糖尿病の3大合併症として

「神経障害」「網膜症」「腎症」があります。

網膜は「眼」と置き換えて、3つの頭文字「しめじ」で覚えましょう。

※神経, 眼, 腎

 

(1) 高浸透圧高血糖状態は、急性合併症である。

正しい文章です。

高血糖状態になることで血液の浸透圧が高くなり、「血管外から血管内へ」水が流入します。

このとき、脳などの組織からも水分が血管へと移行するため

脳が脱水状態となり意識障害などが生じる場合があります。

 

(2) 糖尿病網膜症の〔 末期 〕にみられる自覚症状は、失明である。

初期に生じるのは眼底(網膜)の出血や白斑などです。

それらが悪化していくことで「網膜剥離」などが生じ、最終的に「失明」に至ります。

※本番でこの選択肢がわからなかった場合、

「初期から失明」は恐ろしすぎるし、そんな話聞いたことないな・・・でバツにするのもアリです。

 

 

(3) 浮腫は、腎症の症状である。

正しい文章です。糖尿病の合併症のひとつに「腎障害(腎症)」があります。

この糖尿病性腎症における浮腫は2パターンの機序があります。

 

ひとつ目は「ネフローゼ症候群」により、アルブミンを尿とともに体外に排泄してしまうことで

低アルブミン血症となり、血漿膠質浸透圧が低下し血管外へ水が移行し浮腫が生じます。

 

ふたつ目は「腎不全」に起因する「尿量の減少」です。

尿量が減少する=循環血液量の増加=血圧上昇となり

血管内から血管外へ水が移行し浮腫が生じます。

 

 

(4) 起立性低血圧は、神経障害の症状である。

正しい文章です。

糖尿病の合併症のひとつに「神経障害」があります。

そして、自律神経が障害されることで血圧の調節機構がうまく働かず

起立性低血圧を引き起こしてしまいます。

 

(5) 急性心筋梗塞は、大血管障害である。

正しい文章です。

高血糖状態が継続すると血管内皮に傷がつき、その部分をきっかけに動脈硬化が進みます

選択肢中の「大血管障害」は大きな動脈(太い動脈)が動脈硬化することで生じる

心筋梗塞脳梗塞などを指します。

 

文責:アヒル


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