38-171 初回の面接なので、「ラポール(信頼関係)の形成」を考える必要がある。
そのために需要と傾聴や、相手の人格尊重などを軸に選択肢を選ぶ。
⑴ ご自分で行動目標を立てて、ご自分でチェックをするのが良さそうですね。
ラポール(信頼関係)の形成や需要と傾聴が一切なく、「ご自分で全てやってください」と突き放しているため不適である。
初回面談では特に、対象者に寄り添い伴走する姿勢を見せる必要がある。
〇⑵ 何をすればよいか分かっていらっしゃるようですね。それを行う上で、不安や心配はありますか。
問題文中で対象者が「体重が戻った理由は自分でも分かっています。運動をすれば今回も減らせると思います。」と言っており、
実際に前年度の積極的支援後では、「週末の運動によって、 6か月後に体重が 6 kg 減少した」とあるので、経験に基づく行動目標として十分であるため
管理栄養士は共感的な姿勢を示しつつ、目標達成への不安や障壁を取り除くためのサポートが適した行動となる。
⑶ 戻った体重はほとんど脂肪です。今回は、前回のようには体重は減りませんよ。
(2)の解説にもあるとおり、「体重が戻った理由は自分でも分かっています。運動をすれば今回も減らせると思います。」は経験に基づく行動目標として十分なものであり
「今回は、前回のようには体重は減りませんよ。」という否定的な発言は不適切である。
⑷ 運動よりも食事の方が大切です。食生活の改善方法を一緒に考えましょう。
(3)と同様、この選択肢の「運動よりも食事!」という提案も、対象者の「運動をすれば今回も減らせると思う」旨の発言を、頭ごなしに否定するものであり、不適切である。
38-172 「 3か月で -3 kg」を達成するために①運動によるエネルギーの消費②飲食物による摂取エネルギーの減少のいずれか、または、両方を実施する必要がある。
「 3か月で -3 kg」なので「1か月で -1 kg」を達成する必要があり、脂肪1kgはおよそ7000kcalなので、
7000kcal/30日=233kcal/日を消費or減らす必要がある。これを達成できる選択肢を探す。
⑴ 家で飲む缶ビールを 1 本に減らす。
問題文より、缶ビール1本200kcalとあるので、-233kcal/日を達成できず不適である。
⑵ 家で飲む缶ビールをやめる。
(1)と同様に考えると、–400kcal/日を達成できるため目標を達成できそうであるが
飲酒を習慣にしているものに禁酒を強いることは対象者へのストレスになるため「最も適切」にはならない。
※他の選択肢を確認し、消去法でこの選択肢になる可能性はあるが、少なくともこの時点では「最も適切」とは断定できない。
⑶ 接待時の飲酒量を控えめにして、 3 メッツの運動を週 2 時間行う。
「飲酒量を控えめに」がどの程度かわからないため、まず運動での消費エネルギー量を考える。
3メッツの運動を週2時間行っているため
3メッツ × 2時間 × 80kg = 480kcal/週※ 減らせるように見えるが、
3メッツのうちの1メッツ分は「安静時のエネルギー代謝量」つまり、運動をしていない現在も消費している量である。
そのため、運動での消費エネルギー量を正確に計算をするならば
(3メッツ – 1メッツ) × 2時間 × 80kg = 320kcal/週となる。
週に320kcal、月に1280kcalしか減らせず、
週1回の接待を控えめにし、-1430kcal/回しないと目標は達成できない。
常識的に考えて1回の接待での飲酒量を控えめにするのみで1500kcal近く減らすことは不可能なため、この選択肢は不適である。
※3メッツのまま計算して–480kcal/週でも、どのみち不適である
〇⑷ 週 2 日は休肝日とし、 4 メッツの運動を週 4 時間行う。
まず、週2回の休肝日で–800kcal/週, すなわち–3200kcal/月が達成できる。
そこで次に運動での消費を計算する。
(3)の解説と同様に4メッツのうち1メッツは何もしなくても消費する量なので
(4メッツ – 1メッツ) × 4時間 × 80kg = 960kcal/週 となり、
–3840kcal/月が運動によって減らせるエネルギー量となる。
休肝日と運動を合わせると–7020kcal/月が減らせることとなり、
目標の「1か月で –1 kg (–7000kcal)」が達成できる。
38-173 問題文に「対象者は計画どおり取り組めていた。体重は初回面談時から変化していない」とあるため、
まずは、「計画通り取り組めていること」を褒めるべきである。
その上で、体重減少という目標達成のための策を対象者とともに考えていく必要がある。
⑴ 現在の取組状況の問題点を指摘し、改善策を話し合う。
計画通り進めているため対象者に明確な非があるわけではないのにも関わらず、
「現在の取組状況の問題点を指摘」するのは、行動継続や問題解決につながらないため不適である。
⑵ 現在の取組に対して、今後期待される成果を説明する。
継続支援の面談で、今後期待される成果を説明しても「現時点で減量できていないんですが・・・」となり、
(1)同様、行動継続や問題解決につながらないため不適である。
⑶ 現在の取組を称賛した上で、取組を継続するよう励ます。
取り組みを称賛するまでは適しているが、何も追加の施作を打たず継続するだけでは、
問題解決につながらないため不適である。
〇⑷ 現在の取組を称賛した上で、行動目標の追加を話し合う。
最も適している。これまでの取り組みを称賛した上で、更なる対策を話し合い対象者が主体的に取り組める行動目標を共に探すことが重要である。
文責:アヒル