38-135 褥瘡の予防および栄養管理に関する記述である。

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38-135 褥瘡の予防および栄養管理に関する記述である。  最も適当なのはどれか。 1つ選べ。

 

⑴ 発生リスクは、ブレーデンスケールで評価する。

⑵ 重症度は、NYHA 分類で評価する。

⑶ エネルギー摂取量は、20 kcal/kg 体重/日とする。

⑷ たんぱく質摂取量は、2.5 g/kg 体重/日とする。

⑸ 飲水を含む水分摂取量は、前日尿量以下とする。

 

厚生労働省. 『第38回管理栄養士国家試験の問題(午後の部)』(2024) .

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001218344.pdf, (2024年11月1日閲覧)

 

解答・解説を見る

 

⑴ 発生リスクは、ブレーデンスケールで評価する。

正しい選択肢です。褥瘡の発症リスクは「ブレーデンスケール」で評価します。

ブレーデンスケールでは下記の6項目を評価します。

カッコ内はかなり大まかな理由です。詳細が必要な場合は教科書などで確認を。

・知覚の認知(痛みを感じないとリスクが高い)

・湿潤(常に湿っているとリスクが高い)

・活動性(動かず同じ体勢だとリスクが高い)

・可動性(動かず同じ体勢だとリスクが高い)

・栄養状態(低栄養状態・やせでリスクが高い)

・摩擦とずれ

 

⑵ 重症度は、〔 DESIGN-R®︎ 〕分類で評価する。

褥瘡の重症度リスクはDESIGN-R®︎分類で評価します。

ここでまず気をつけることは

(1)の発症リスク評価は「ブレーデンスケール

(2)の重症度の判定は「DESIGN-R®︎」ということです。

入れ替えればカンタンに誤肢を作ることができるので

出題者目線でひっかけ問題として出題しやすいので注意しましょう。

DESIGN-RのR(rating)以外は評価項目の頭文字になっています。

Depth(深さ)、Exudate(滲出液)、Size(サイズ)、Inflammation/infection(炎症/感染)

Granulation tissue(肉芽組織)、Necrotic tissue(壊死組織)、P(ポケット)などがありますが、

英単語対策でもない限り英語は覚えなくて良いと思います。
※Inflammation(炎症)は覚えてもいいかもしれません

 

ちなみにNYHA分類は心不全の重症度を分類する指標です。

※NYHA(New York Heart Association:ニューヨーク心臓協会)

 

⑶ エネルギー摂取量は、〔 30〜35 kcal/kg 体重/日 〕とする。

褥瘡では摂取エネルギーを制限する必要がないため30〜35 kcal/kg 体重/日で設定します。

よって選択肢の20 kcal/kg 体重/日は低すぎます

 

⑷ たんぱく質摂取量は、〔 1.0〜1.5 g/kg 体重/日 〕とする。

褥瘡患者の栄養管理は原則としてエネルギーとたんぱく質をしっかり摂る必要があります。

参考書によっては「たんぱく質1.0g/kg標準体重/日以上」と書かれており

上限なく大量に摂取できるような雰囲気もありますが

流石に限度はあり、多くても 1.2~1.5g/kg標準体重/日が一般的です。

ここでは、前述の「1.0g/kg標準体重/日以上」と「1.2~1.5g/kg標準体重/日」を合わせて

「1.0~1.5g/kg標準体重/日」と表記しておきますが、

いずれにせよ選択肢の「2.5g/kg標準体重/日」は多すぎます。

 

⑸ 飲水を含む水分摂取量は、〔 制限しない 〕。

脱水状態になると褥瘡のリスクが増すため

前日尿量以下という極端な水分摂取制限は危険です。

また、滲出液としても体水分を失っているため、その点からも脱水に注意する必要があります。

 

文責:アヒル


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