この問題では「腹膜透析時特有のエネルギー計算」が問われています。
少し特殊なのでしっかり覚えておきましょう。
腹膜透析ではエネルギー量は
健康な人と同じ30〜35kcal/kg標準体重/日で計算します。
しかし注意すべき点は、問題文にもある「腹膜吸収グルコースのエネルギー量」です。
これは腹膜透析の際に用いる「透析液」が
濃度2%前後の濃いグルコース溶液であり、この溶液のグルコースの一部が腹膜から吸収されているためです。
この問題では腹膜透析時に用いる透析液から300kcal/日分のグルコースが体内に吸収されていることになります。
通常は食事などからエネルギーを摂取しますが、
腹膜透析時は上記の吸収された透析液分を考慮しなければ
摂取エネルギー過剰となってしまいます。
したがって、この問題を解く場合、
標準体重50kg × 30〜35kcal/kg標準体重/日 = 1500 〜 1750 kcal
(1500 〜 1750 kcal) – 300 kcal = 1200 〜 1450 kcal
となり、この時点で選択肢は(1)か(2)のいずれかになります。
あとは、たんぱく質を0.9〜1.2g/kg標準体重/日で考え
標準体重50kg × 0.9〜1.2g/kg標準体重/日 = 45 〜 60 gとなり
正解は(2)となります。
※透析が始まるとたんぱく質はほとんど制限しなくなるので
国試対策においては、健康時と同じ「1.0g/kg標準体重/日」と覚えていても差し支えありません。
〇⑵ 1,400 50
文責:アヒル