⑴ IgA腎症は、〔 糸球体 〕への IgA の沈着を特徴とする。
IgA腎症は、正確な原因は不明ですが、
何らかの原因で、免疫グロブリンのIgAと抗原などが合体した
「免疫複合体」が糸球体に沈着しそこで炎症を起こすことで生じます。
糸球体は濾過装置の「濾紙, 濾過フィルター」の部分にあたるので
ここが炎症を起こし障害を受けるので腎機能が低下します。
⑵ 慢性腎不全が進行すると、血中 1α, 25-ジヒドロキシビタミンD値が〔 低下 〕する。
選択肢の「1α, 25-ジヒドロキシビタミンD」とは、いわゆる「活性型ビタミンD」のことを指します。
ビタミンDは肝臓と腎臓の両者によって活性化され1α, 25-ジヒドロキシビタミンDとなるため
どちらかの臓器に障害が生じると、血中1α, 25-ジヒドロキシビタミンD値は低下してしまいます。
また、「活性型ビタミンD」の作用が減弱するため、小腸でのCa吸収率が低下し
その結果、二次性骨粗鬆症のリスクが増加します。
※この選択肢は人体の範囲や基礎栄養の範囲でも登場しうるのでしっかりと覚えておきましょう。
〇⑶ 糖尿病腎症第4期では、エネルギー摂取量を 25~35 kcal/kg 目標体重/日とする。
正しい文章です。
糖尿病性腎症第4期はeGFRが30mL/分/1.73m2未満の場合を指し、
エネルギー摂取量はCKDと同じ数値(25〜35)を用いますが
「25~35 kcal/kg 目標体重/日」のように「目標体重」であることに留意が必要です。
またたんぱく質は0.6〜0.8g/kg体重/日, 食塩は6.0g, カリウムは1.5g未満と制限します。
⑷ 血液透析では、リン摂取量を 〔 たんぱく質(g) × 15 mg/日以下 〕とする。
血液透析ではリンを制限しますが「リン〜〜mg以下」などと明確に定義されているわけではなく
摂取たんぱく質量から計算します。
リンはたんぱく質の摂取源となる食品に多く含まれているためたんぱく質制限と連動して検討します。
⑸ 急性糸球体腎炎では、〔 急性期 〕に水分を制限する。
一般的に急性の疾患では急性期に制限するものが多く、回復期にはそれまでの制限を段階的に緩和していくことがほとんどです。
そのため「回復期に水分を制限する」という元の選択肢は
根本的に無理があり、誤肢とわかるかなと思います。
文責:アヒル