〇⑴ 栄養素1g当たりの代謝水の量は、たんぱく質より脂質が多い。
正しい。代謝水は栄養素の代謝により生じる水を指す。電子伝達系でATPを作るときの副産物として水が生まれる。
38-19(4)では、「(誤) 電子伝達系では、二酸化炭素が産生される。」と出題されたことがある。
正文化するなら「二酸化炭素 → ATPと水が産生される」であるが、このときの水が代謝水のことである。
ATPが合成されるときの副産物なので
「栄養素1gあたりから産生されるATPの量が多いほど、代謝水も多い。」
このように考えると、この選択肢は
たんぱく質1gと脂質1gでどちらがたくさんATPを合成するか?ということになるが
アトウォーター係数より、たんぱく質4kcal/g、 脂質9kcal/gなので
脂質の方がより多くのエネルギーになる。そのため生成する代謝水も多い。
⑵ 水分摂取量が増加すると、〔 可避尿量は増加する 〕。
35-79(4) に「(誤)不可避尿量は、飲水量に影響される。」という選択肢が登場している。
不可避尿量とは飲水量に関係しない、生きるために生じる最低限の尿量であり、いわゆる老廃物の排泄などに使われる。
過剰に飲水すると尿量は増えるがそれらは可避尿と呼ばれるものである。
⑶ 水分摂取量が不足すると、バソプレシンの分泌は〔 増加する 〕。
38-97(5)には、「暑熱環境下でバソプレシン分泌量が増加する。」旨が出題されている。
バソプレシンは抗利尿ホルモンという名前からもわかるように
水の再吸収を促進して尿量を減らすので、水分の体内貯留が増える。
水分摂取量が少ないときや、発汗によって水分を失ったときなどに
バソプレシン分泌が増加する。
⑷ 発汗では、ナトリウム〔 を損失する 〕。
汗は約99%が水であるが、ナトリウムやカリウム、鉄などのミネラルも含まれる。
過去には35-78(1)に「鉄は、汗に含まれる」という正文が出題されている。
そのため発汗によってこれらのミネラルは損失する。
⑸ 不感蒸泄量は、外気温の影響を〔 受ける 〕。
不感蒸泄とは文字の通り、「感じない蒸発と排泄」である。
汗や尿などは「体外に出ていくことを感じる」ので不感蒸泄には当たらない。
そして、汗は特に外気温の影響を受ける(暑い方がたくさん汗をかく)のでこの選択肢は誤りとなる。
文責:アヒル