⑴ と畜後、グリコーゲンが嫌気的に分解されることで、pHが〔 低下 〕する。
グリコーゲンは分解され、細胞内のエネルギー合成に利用されるが
と畜後(死後)は、酸素の供給が十分に行われなくなるため嫌気的な代謝が進み、結果として
グリコーゲン→グルコース6リン酸→(解糖系)→ピルビン酸→乳酸
と進んでいく。乳酸やピルビン酸が蓄積するため、pHは酸性に傾く。つまりpHは低下する。
⑵ 鶏肉の0~4℃における最大死後硬直期までの時間は、牛肉より〔 短い 〕。
鶏の死後硬直までの時間は2〜3時間程度で、牛は1日程度である。ちなみに豚は12時間程度。
体が小さい方が死後硬直がはやく、大きくなるにつれて死後硬直は遅いと覚えると良い。
鶏2~3時間程度、豚12時間程度、牛24時間程度
⑶ と畜後、アクトミオシンが形成されると、肉質は〔 硬化 〕する。
アクトミオシンとは、アクチンとミオシンが結合して生じるもので、これが死後硬直の硬さの原因である。
かまぼこなどの製造で、魚のすり身に塩を加えて練ると
同様にアクトミオシンが形成され独特の弾力性を生み出す。
⑷ 熟成中にATPが〔 減少 〕することで、うま味が増す。
熟成による旨みの増加は、ATPが分解され、旨み成分のイノシン酸へと変化することによるものである。
よって熟成中、ATPは減少する。
〇⑸ メトミオグロビンにおけるヘム中の鉄イオンは、3価である。
正しい。
メトミオグロビンは酸化されたミオグロビンで、
ヘム色素中の鉄がFe3+(3価)になっている。※酸化数の増加
「メト〜」だけがFe3+(3価)で、
そのほかの「ニトロソ〜」や「オキシ〜」は全てFe2+(2価)である。
文責:アヒル