⑴ 過換気症候群では、〔 呼吸性アルカローシス 〕になる。
過換気症候群では、過呼吸によって二酸化炭素(CO₂)が過剰に排出されるため、
血中のCO₂が低下し、呼吸性アルカローシスを引き起こす。
過換気症候群は息を吐きすぎる病気なので
(2)のCOPD(うまく息を吐けない病気)の逆!と覚えても良い。
⑵ COPDでは、〔 呼吸性アシドーシス 〕になる。
COPDでは1秒率の低下など、うまく息を吐けなくなる。息を吐けないので体内に二酸化炭素(CO₂)が蓄積される。
体内に蓄積されたCO₂は、体の水分(特に血液)に溶け込み、炭酸になる。
炭酸は文字通り「酸」なので、酸が溜まる=アシドーシスとなり、これは呼吸が関与しているアシドーシスなので
呼吸性アシドーシスとなる。
⑶ 大量の嘔吐では、〔 代謝性アルカローシス 〕になる。
大量の嘔吐によって、胃酸が大量に排泄されると体内から酸がなくなることになるので
酸の減少に伴うアルカローシスが生じる。これは呼吸器疾患が関与していないので、代謝性アルカローシスである。
ちなみに上からではなく、下から(重篤な下痢)の場合は、コレの逆で、代謝性アシドーシスを生じる。
⑷ 原発性アルドステロン症では、〔 代謝性アルカローシス 〕になる。
原発性アルドステロン症では、アルドステロンの過剰分泌によりナトリウムイオンの再吸収が過剰となる。
アルドステロンの作用でナトリウムイオンが再吸収されるとき、入れ替わる形でカリウムイオンと水素イオン(H+)が排泄される。
よって、アルドステロンの過剰分泌によりナトリウムイオンが過剰に再吸収されるとき、
カリウムイオンと水素イオン(H+)が過剰に排泄され、代謝性アルカローシスを引き起こす。
呼吸器疾患が関与していないため代謝性である。
〇⑸ 腎不全では、代謝性アシドーシスになる。
正しい。腎臓には水素イオン(H+)を排泄するはたらきがあるが、腎不全によってこの機能がダメになると
水素イオン(H+)をうまく排泄できず、体内に溜まってしまう。
その結果、アシドーシスを生じるが、このアシドーシスには呼吸器疾患が関与していないため
代謝性アシドーシスとなる。
文責:アヒル