39-181, 182, 183 K透析クリニックに勤務する管理栄養士である。 患者は、68歳、男性。15年前から高血圧症とCKDで通院加療し、食事療法を続けて きたが、病態が悪化してきたため当クリニックに転院し、週3回の血液透析に移行した。 身長165cm、ドライウェイト65kg、標準体重60kg。尿量300mL/日。 血圧170/95mmHg。透析開始前の血液検査値は、総たんぱく質6.8g/dL、アルブミン 3.3g/dL、尿素窒素86mg/dL、クレアチニン8.6mg/dL、ナトリウム140mEq/L、カリウム5.2mEq/L、リン4.8mg/dL、HbA1c5.5%。

スポンサーリンク


39-181, 182, 183 次の文を読み「181」、「182」、「183」に答えよ。

K透析クリニックに勤務する管理栄養士である。

患者は、68歳、男性。15年前から高血圧症とCKDで通院加療し、食事療法を続けて

きたが、病態が悪化してきたため当クリニックに転院し、週3回の血液透析に移行した。

身長165cm、ドライウェイト65kg、標準体重60kg。尿量300mL/日。

血圧170/95mmHg。透析開始前の血液検査値は、総たんぱく質6.8g/dL、アルブミン

3.3g/dL、尿素窒素86mg/dL、クレアチニン8.6mg/dL、ナトリウム140mEq/L、カリウム5.2mEq/L、リン4.8mg/dLHbA1c5.5%。

 

39-181 血液透析導入後の食事について、栄養食事指導を行った。

この患者における指示たんぱく質量と指示カリウム量の組合せである。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  たんぱく質          カリウム

     (g/日)          (mg/)

⑴ 35                 1,500

⑵ 70                 1,500

⑶ 35                 2,000

⑷ 70                 2,000

 

 

 

39-182 血液透析導入1か月後に、2回目の栄養食事指導を行った。

患者は、食事メモを持参した()。患者への助言として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

⑴ 朝食に、牛乳を加えましょう。

⑵ 昼食の天丼は、野菜のかき揚げ丼にしましょう。

⑶ 夕食の揚げ出し豆腐は、湯豆腐にしましょう。

⑷ 夕食のいも料理は、1品に減らしましょう。

 

 

39-183 栄養食事指導の際、患者から「間食を摂りたい。」と相談があった。

患者に適した間食の例として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

⑴ 芋かりんとう 30g

⑵ マシュマロ  30g

⑶ ヨーグルト     75g

⑷ きんつば        50g

 

厚生労働省. 『第39回管理栄養士国家試験の問題(午後の部)』(2025) .

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001428961.pdf, (2025年8月17日閲覧)

解答・解説を見る

 

39-181 血液透析導入後の食事について、栄養食事指導を行った。

この患者における指示たんぱく質量と指示カリウム量の組合せである。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

 

CKDでは、eGFRなどから決めるステージ分類によって、

たんぱく質やカリウムなどを、どんどんと制限していくが

さらに悪化し、透析が始まるとそれまでの制限は少し緩くなる

 

ステージ4 〜 5では、

・たんぱく質 : 0.6〜0.8g/標準体重kg

・カリウム : 1500mg未満

だったものが、透析患者では

たんぱく質0.9〜1.2g/標準体重kg

カリウム2000mg未満

程度になる。たんぱく質は1.5倍くらいまで許される。
カリウムは1段階戻る(ステージ3まで戻る)。と覚えておくと良い。

これを踏まえると

たんぱく質は、標準体重60kg × (0.9 〜 1.2 g) = 54 〜 72 gとなり

(2)か(4)が妥当となり、カリウムは2000mgが妥当なので

⑷ 70                 2,000 となる。

ちなみに血清のカリウム値が6や6.5mEq/L以上になると
高カリウム血症対策で、カリウムも制限し1500mgが妥当となるが
国試では6や6.5などのギリギリではなく、7mEq/L以上の極端な値が出題されるか
高カリウム血症である旨が書かれると思う。

 

 

 

39-182 血液透析導入1か月後に、2回目の栄養食事指導を行った。

患者は、食事メモを持参した()。患者への助言として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

 

前問から、たんぱく質は0.9〜1.2g/標準体重kgと、健康な場合と同等程度に摂取

カリウムは2000mg程度に制限する必要がある。

 

⑴ 朝食に、牛乳を加えましょう。

牛乳たんぱく質の摂取源としては問題ないが、カリウムも多く含むため

積極的に牛乳を摂取させるのは適しているとは言えない。

 

⑵ 昼食の天丼は、野菜のかき揚げ丼にしましょう。

天丼(きす、えび)を、野菜のかき揚げに変更すると

たんぱく質摂取量は減少し、カリウムの摂取量が増加してしまう。

よって不適である

 

⑶ 夕食の揚げ出し豆腐は、湯豆腐にしましょう。

CKDでは、たんぱく質などを制限する都合から、エネルギー摂取を脂質に頼る必要が出てくる。

そのため、揚げ出し豆腐を湯豆腐に変更すると、脂質由来の摂取エネルギー量が減ってしまうので不適である。

 

⑷ 夕食のいも料理は、1品に減らしましょう。

イモにはカリウムが多く含まれているため、1食で2品は多すぎる。
※国試特有の極端な設定。

そのためカリウム制限の観点から1品に減らす助言が最も適している

 

 

 

39-183 栄養食事指導の際、患者から「間食を摂りたい。」と相談があった。

患者に適した間食の例として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

 

181, 182からわかるように「カリウムを制限」する必要がある。

 

⑴ 芋かりんとう 30g

⑷ きんつば        50g

芋や小豆(あんこ)には、カリウムが多く含まれているため不適である。

※「きんつば」を知っているか?という
国試の出題範囲から外れた盤外戦になっているので
問題として良くない。(※個鳥の感想です)

 

⑶ ヨーグルト     75g

182の(1)の解説の通り、牛乳や乳製品にはカリウムが多く含まれているため不適である。

 

⑵ マシュマロ  30g

マシュマロは卵白、ゼラチン、砂糖、水飴、コーンスターチ(でんぷん)などから作られる、

たんぱく質と炭水化物の塊である。ここにカリウムはほとんど含まれていないため

適した解答となる。

 

※この問題では消去法的にこの選択肢が正しいと考えざるを得ないが
マシュマロ30gの実際の量を調べると「68歳が完食でこの量の摂取は厳しいのでは・・・?」となると思う。
コス○コの巨大マシュマロ1個で30g、駄菓子のマシュマロだと6〜10個。食えるわけがない・・・。

きんつば→実物を知っているか?の盤外戦
マシュマロ30g→食えない。
国家試験の問題として美しくない。

 

文責:アヒル


スポンサーリンク


Insert math as
Block
Inline
Additional settings
Formula color
Text color
#333333
Type math using LaTeX
Preview
\({}\)
Nothing to preview
Insert