遅筋と速筋(赤筋と白筋)は赤身魚と白身魚をイメージすると理解しやすいです。
〇赤身魚(=マグロ)
赤身魚のマグロは「止まると死ぬ」と言われるくらいずっと泳いでいる魚です。
そこから「ずっと泳げる」=「持久力がある」ということは
簡単に理解できる思います。
なので「赤身」=「赤筋」=「持久力アリ」です。
付け加えると「遅筋」でもあり、覚え方は「シーチキン」です。
〇白身魚(=ヒラメ)
白身魚のヒラメは、普段は海底の砂の中でじっとしています。
外敵から襲われそうになったときに「瞬発的な運動」で逃走します。
なので「白身」=「白筋」=「瞬発的」と理解できると思います。
ただ、上記の分類や「速筋」に関しての
覚え方は「マグロの逆!!」で覚えた方がいいと思います。
※マグロだけ覚えれば、あとは全部逆なので、イチイチ覚える必要がなくなる。
この問題は「遅筋」の特徴を聞いているので「遅筋=シーチキン=マグロ」で
マグロの特徴を考えましょう。
⑴ 遅筋は、速筋より〔 有酸素運動 〕に適している。
遅筋が無酸素運動/有酸素運動のどちらに適しているか?という問題ですが
有酸素運動とは、ジョギングなど運動強度が比較的低く、長時間できるもの(持久的)を指します。
一方で、無酸素運動は短距離ダッシュなど、運動強度が高く、短時間でバテるもの(瞬発的)を指します。
では、マグロはどちらに該当するでしょうか?
解説冒頭に記載した通り、持久的な運動をしますよね。なので、
「遅筋」の特徴は「有酸素運動に適する」となります。
⑵ 遅筋は、速筋よりトリグリセリド含量が〔 多い 〕。
(1)の解説にも関連しますが、遅筋は「持久的な運動(有酸素運動)」に適した筋肉です。
では、持久的な運動(有酸素運動)の際に
エネルギー源として使われる栄養素はなんでしょうか?それは脂質です。
「有酸素運動をしないと脂肪が燃えないから痩せないよ?」と
聞いたことはないですか?これは厳密には誤りですが
「有酸素運動の時、脂質が使われる割合が高い」ことは事実です。
そのために「有酸素運動」を担う「遅筋」には
すぐに利用できるように脂肪が多く含まれています。
※マグロとヒラメ、どっちが脂が乗ってる?みたいな考え方でもいいです。
⑶ 遅筋は、速筋よりグリコーゲン含量が〔 少ない 〕。
(2)の逆です。瞬発的な運動(無酸素運動)時には、
糖が使われる割合が比較的高くなっています。
そのため、速筋の方がグリコーゲンを多く含んでいる。ということになります。
〇⑷ 遅筋は、速筋よりミトコンドリアに富む。
正しい文章です。
有酸素運動時には、「好気的条件下の代謝」が進みます。
この、好気的条件下の代謝とはTCA回路および電子伝達系でのATP産生です。
生化学や人体で既習だとは思いますがこれらの代謝経路があるのは「ミトコンドリア」です。
であれば、「遅筋にはミトコンドリアがたくさんあるに決まってる!」と想像できると思います。
ミトコンがないとエネルギー産生が効率よく進まないので・・・。
⑸ 遅筋は、速筋より〔 疲労しにくい 〕。
瞬発的な運動をする速筋は疲労しやすく、
持久的な運動をする遅筋は速筋に比べると疲労しにくいです。
短距離ダッシュは10秒後くらいには疲労していますが、
ジョギングやマラソンなどは数時間、保つことを想像するとわかりやすいと思います。
類似問題
38-35 (4)のミオグロビンの問題は必ず参照のこと。
35-95 運動に関する記述である。
文責:アヒル