⑴ 生理的体重減少では、〔 細胞外液 〕の減少が著しい。
生後3~5日間に一時的に体重が減少することを生理的体重減少という。
排泄や不感蒸泄で失われる水分が摂取水分量を上回ることで体重が減少する。
また、細胞内外の水分量の変化もよく出題されるが
新生児は細胞内液と細胞外液がほとんど同じ割合で存在しているため、成人と比べて細胞外液の割合が高い。
(成人は細胞内液が細胞外液より多い)
体重に対する細胞内液の割合がほとんど変化しないまま、細胞外液の割合のみが減少し、成長に伴って体の水分が減少していく。
⑵ 外呼吸は、〔 腹式呼吸 〕が中心である。
新生児期は腹式呼吸が優位である。
その理由として、新生児は胸郭の発達が未熟でまだ広がりが悪いため
胸郭の拡張収縮による呼吸がうまくできないためである。
成長に伴って胸郭や呼吸筋の発達し胸式呼吸優位へと移行していく。
〇⑶ 寒冷環境下では、褐色脂肪細胞による熱産生が起こる。
正しい文章である。
新生児は体温調節が未熟で低体温や高体温に陥りやすい。
新生児は骨格筋などの発達が未熟なため
成人と同じ方法での体温調節(筋肉の震えによる「ふるえ熱産生」)はできないが、
代わりに褐色脂肪細胞が多く、この褐色脂肪細胞による熱産生によって体温を維持している。
褐色脂肪細胞は年齢とともに減少する。
※褐色脂肪細胞には「ミトコンドリア」が多く存在し、
それに伴ってミトコンドリアに存在する「UCP(脱共役たんぱく質)」も多く存在する。
UCPは熱産生に働くたんぱく質であるため「褐色脂肪では体熱産生が行われる」ことにつながる。
⑷ 排尿回数は、成人に比べて〔 多い 〕。
新生児は排尿の働き、特に膀胱の貯蔵量が未熟なため、
成人ほど膀胱に貯留することはできず、結果的に1回あたりの尿量は少なく
排尿回数は15~20回/日ほどになる。
⑸ 〔 吸啜反射 〕は、口に入ってきた物を吸う動きである。
哺乳反射:哺乳に必要な反射の総称。以下のような反射が見られる。
・探索反射…唇や口の周辺などを刺激すると刺激を受けた方を向く反射
・捕捉反射…口を開いて唇と舌でくわえようとする反射
・吸啜反射…口に入ったものを強く吸引する反射
類似問題
34-90 新生児期・乳児期の生理的特徴に関する記述である。
35-90 新生児期・乳児期の生理的特徴に関する記述である。
新生児に関する問題では「〜〜の機能がまだ未熟なため」の類が多く出題されるので
初見の問題でも脳内に赤ちゃんを用意して考えてみましょう。
文責:アヒル(O)