⑴ 非妊娠時の BMI が 18.5 kg/m2 未満の場合、妊娠中の体重増加量は〔 12~15kg 〕が推奨されている。
●妊娠前のBMIによって望ましい体重増加量は異なる[1]。
BMI18.5 kg/m2未満:12~15㎏
BMI18.5 kg/m2以上24.0 kg/m2未満:10~13㎏
BMI25.0kg/m2以上30.0 kg/m2未満:7~10㎏
BMI30.0 kg/m2以上:個別対応
⑵ 月経による鉄損失がなくなるが、鉄欠乏性貧血は〔 起こりやすい 〕。
妊娠期には胎児の成長やさい帯・胎盤中への鉄貯蔵、
循環血液量の増加による赤血球の増加に伴い、鉄の需要が増加するため、妊娠前よりさらに多くの鉄摂取が必要である。
特に妊娠中期、後期は鉄需要が大幅に増加する。
そのため鉄欠乏性貧血も起こりやすくなると考えられる。
〇⑶ 尿たんぱく質の検査は、妊娠初期から行う。
正しい文章である。
尿検査(尿糖・尿たんぱく質など)は妊娠初期から妊婦検診で毎回行う。
妊娠期では循環血液量が増えることで腎臓の負担が大きくなり、尿たんぱく質が陽性になりやすい。
また、たんぱく尿は妊娠高血圧症候群の症状の1つでもあり、定期的な検査が必要である。
⑷ キンメダイやメカジキは、〔 注意しながら摂取する必要がある 〕。
魚には自然界に存在する水銀が食物連鎖によって取り込まれている。
妊娠期に極端に水銀を多く摂取した場合、胎児に影響を与える可能性があるとされており、
魚介類(クジラ類も含む)の一部の種類では水銀濃度が高いため、注意しながら摂取する必要がある[2]。
→大型の魚類や哺乳類は「生物濃縮」により、多くの水銀が体内に蓄積されている傾向がある。
キンメダイ、メカジキ、本マグロ、メバチマグロ、マカジキ、ミナミマグロ、クロムツなど
キハダマグロ、ビンナガマグロ、ツナ缶、タイ、カツオ、ブリなど
⑸ ビタミン A の付加量は、〔 妊娠後期のみ設定されている 〕。
母体から胎児へのビタミンAの移行はほとんど妊娠後期に行われるため、
必要な摂取量が増えるのは妊娠後期である。
※上記が正確な理由であるが、「妊娠初期のビタミンAの過剰摂取による催奇形成」と「真逆」と覚えると
「妊娠後期にのみ付加量」を覚えやすいかもしれない。
※引用元
[1] 日本産科婦人科学会,妊娠中の体重増加指導の目安について,https://www.jsog.or.jp/news/pdf/20210616_shuuchi.pdf(2024/10/24)
[2]厚生労働省,これからママになるあなたへおさかなについて知っておいてほしいこと,https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/100601-1.pdf (2024/10/14閲覧)
文責:アヒル(O)