⑴ 〔 ノンエンベロープ型 〕ウイルスである。
ノロウイルスはエンベロープがないタイプ(ノンエンベロープ型)のウイルスです。
「エンベロープ」とはウイルス表面の脂質でできた膜のことを指します。
(細胞膜っぽいものみたいなイメージで思ってください)
エンベロープは脂質でできているのでアルコールと馴染みやすく、
アルコールと馴染む=脂質膜(細胞膜っぽいもの)が破れる=ウイルスが壊れる
「エンベロープがあるウイルス」の場合、アルコール消毒が有効(効果的)です。
一方で、ノロウイルスは「エンベロープを持たないウイルス」のため、
アルコールを噴霧しても、馴染む(ウイルスを破壊する)ことができず
アルコール消毒は効果がありません。(アルコール耐性)
したがってノロウイルスの消毒にはアルコールは用いず、次亜塩素酸ナトリウムで消毒します。
ちなみに、国試に出る可能性のある「ノンエンベロープ型ウイルス」は
ノロウイルスの他に、ロタウイルスやA型肝炎ウイルスなどがあります。
(感染症絡みで消毒方法が聞かれるかも・・・?)
⑵ 二枚貝の中腸腺で〔 蓄積 〕する。
ノロウイルスは二枚貝の中腸腺という部分に「蓄積」されます。
蓄積&濃縮はされますが、増殖はしません。
ノロウイルスが増殖するのは動物の腸内などです。
⑶ 不活化には、〔 85〜90℃で90秒以上 〕の加熱が有効である。
大量調理施設衛生管理マニュアルでは
「中心部が75℃で1分間以上(二枚貝等ノロウイルス汚染のおそれのある食品の場合は85〜90℃で90秒以上)
又はこれと同等以上まで加熱されていることを確認する」[1] とされている。
〇⑷ 不活化には、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効である。
選択肢(1)の解説通りです。アルコール消毒は効かず
次亜塩素酸ナトリウムを用いて消毒します。
⑸ 食中毒の潜伏期間は、〔 24〜48時間程度 〕である。
ノロウイルスの潜伏期間は24〜48時間です。
選択肢の4〜7日ほど長くはありません。
※引用元
[1] 厚生労働省.大量調理施設衛生管理マニュアル.
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000139151.pdf (2024/7/25閲覧)
文責:アヒル