38-52 ノロウイルスとそれによる食中毒に関する記述である。

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38-52 ノロウイルスとそれによる食中毒に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

⑴ エンベロープ型ウイルスである。

⑵ 二枚貝の中腸腺で増殖する。

⑶ 不活化には、75℃2分間の加熱が有効である。

⑷ 不活化には、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効である。

⑸ 食中毒の潜伏期間は、47日程度である。

 

厚生労働省. 『第38回管理栄養士国家試験の問題(午前の部)』(2024) . https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001218343.pdf, (2024年8月13日閲覧)

 

解答・解説を見る

 

⑴ 〔 ノンエンベロープ型 〕ウイルスである。

ノロウイルスはエンベロープがないタイプ(ノンエンベロープ型)のウイルスです。

 

エンベロープ」とはウイルス表面の脂質でできた膜のことを指します。

(細胞膜っぽいものみたいなイメージで思ってください)

エンベロープは脂質でできているのでアルコールと馴染みやすく

アルコールと馴染む脂質膜(細胞膜っぽいもの)が破れるウイルスが壊れる

エンベロープがあるウイルス」の場合、アルコール消毒が有効(効果的)です。

 

一方で、ノロウイルスは「エンベロープを持たないウイルス」のため、

アルコールを噴霧しても、馴染む(ウイルスを破壊する)ことができず

アルコール消毒は効果がありません。(アルコール耐性)

したがってノロウイルスの消毒にはアルコールは用いず、次亜塩素酸ナトリウムで消毒します。

 

ちなみに、国試に出る可能性のある「ノンエンベロープ型ウイルス」は

ノロウイルスの他に、ロタウイルスA型肝炎ウイルスなどがあります。

(感染症絡みで消毒方法が聞かれるかも・・・?)

 

⑵ 二枚貝の中腸腺で〔 蓄積 〕する。

ノロウイルスは二枚貝の中腸腺という部分に「蓄積」されます。

蓄積&濃縮はされますが、増殖はしません

ノロウイルスが増殖するのは動物の腸内などです。

 

⑶ 不活化には、〔 85〜90℃で90秒以上 〕の加熱が有効である。

大量調理施設衛生管理マニュアルでは

中心部が75℃で1分間以上二枚貝等ノロウイルス汚染のおそれのある食品の場合は85〜90℃で90秒以上

又はこれと同等以上まで加熱されていることを確認する」[1] とされている。

 

⑷ 不活化には、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効である。

選択肢(1)の解説通りです。アルコール消毒は効かず

次亜塩素酸ナトリウムを用いて消毒します。

 

⑸ 食中毒の潜伏期間は、〔 24〜48時間程度 〕である。

ノロウイルスの潜伏期間は24〜48時間です。

選択肢の4〜7日ほど長くはありません。

 

※引用元

[1] 厚生労働省.大量調理施設衛生管理マニュアル.

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000139151.pdf (2024/7/25閲覧)

 

文責:アヒル


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