先天性代謝異常症の問題は臨床栄養学の範囲でよく登場しますが
内容としては生化学や人体の範囲でも出得る範囲なのでしっかり把握しておきましょう。
⑴ 〔 アシドーシス 〕を呈する。
メープルシロップ尿症では
分岐鎖アミノ酸から合成される、分岐鎖α–ケト酸が代謝(分解)できず、
分岐鎖アミノ酸や分岐鎖α–ケト酸が体内で溜まってしまいます。
特に「分岐鎖α–ケト酸」は文字通り「酸」なので、
体内に蓄積することで「アシドーシス」を引き起こします。
〇⑵ 血中ロイシン値は高値を示す。
(1)の解説の通り、分岐鎖アミノ酸が体内に蓄積するため、
分岐鎖アミノ酸のひとつである血中のロイシンの濃度も高くなります。
⑶ エネルギー摂取量を制限する。
(4)の解説のように「分岐鎖アミノ酸」を制限するため、
そのほかの栄養素由来のエネルギーはしっかり摂取する必要があります。
そのため制限する必要はありません。
⑷ 乳糖除去ミルクを使用する。
メープルシロップ尿症では乳糖を除去(制限)する必要はありません。
メープルシロップ尿症で制限するのは「分岐鎖アミノ酸」です。
乳糖除去ミルクを用いるのは「ガラクトース血症」や「乳糖不耐症」の場合です。
⑸ 〔 血中ロイシン値 〕をモニタリングする。
(2)の解説の通りです。血中ロイシン値などをモニタリングする必要があります。
尿中ホモシスチン排泄量をモニタリングするのは「ホモシスチン尿症」です。
文責:アヒル