まずは問題文を読み、対象者の特徴を整理しましょう。
“85 歳、男性。BMI 14.8 kg/m2。ADL 全介助。”
→高齢で、BMI20未満なので低栄養が考えられます。
またADL全介助なので自分では食事などができない状態です
“寿司が好きであったが、現在は嚥下障害のためミキサー食と栄養補助食品を摂取している。”
“体重は半年間で 5 kg 減少した。本人、妻とも自宅生活の継続を望んでおり、経管栄養は希望していない。”
→嚥下障害があり、ミキサー食&栄養補助食品で栄養素を摂取していますが、
体重&BMI減少から不足していることが考えられ、理想としては摂取エネルギー量を増やしたい。
ただし、「本人も妻も経管栄養を希望していない」ので「経口で何ができるか?」を中心に考えることになります。
これをもとに選択肢をみると・・・
⑴ 一時的に胃瘻を造設することを勧める。
胃瘻は経管栄養法のひとつであるため、
本人と妻の意思を尊重するのであれば勧めるべきではない。
〇⑵ ミキサー食にエネルギーを付加する方法を指導する。
正しい選択肢です。
現状がミキサー食と栄養補助食品での食事摂取ができているので
この方法を改良する指導が最も適切であると考えられます。
「経口で何ができるか?」に対して情報提供や教育・指導が求められます。
※他の選択肢が酷すぎるので消去法でこの選択肢にしてもOK。
⑶ 好きな寿司を食べさせるように指導する。
嚥下障害があるため、寿司の摂取は誤嚥などの危険性があり勧められない。
(出題者目線の話をすると、酢飯の酢でむせる、口腔内でシャリがほぐれて誤嚥しやすい。など特によくない食品として寿司を選び出題している)
⑷ 栄養補助食品を中止するように指導する。
栄養補助食品を中止してしまうと今よりもさらに栄養素の摂取が不足し、患者の栄養状態が悪くなってしまう。
国試の症例問題では必ず、
「選択肢を消すための情報」や「正しい選択肢を選ばせるための情報」が
問題文中に登場しているため問題文をしっかり読み込み、
解答のヒントになりそうな文章には鉛筆でグルグルと丸を描いたりして
強調しておきましょう。
文責:アヒル