33-6 根拠(エビデンス)に基づいた医療(EBM)に関する記述である。

33-6 根拠(エビデンス)に基づいた医療(EBM)に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)診療ガイドラインの作成は、法律で定められている。
(2)系統的レビューは、研究倫理審査委員会の報告書のことを指す。
(3)メタアナリシスは、複数の研究において得られた効果を総合的に判断するときに有用である。
(4)臨床経験の豊富な権威者による意見は、質の高いエビデンスとみなされる。
(5)民間企業との共同研究で得られた成果は、利益相反を開示しなくてもよい。

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(1)診療ガイドラインの作成を定める法律はない。

診療ガイドラインとは、「診療上の重要度の高い医療行為について、エビデンスのシステマティックレビューとその総体評価、益と害のバランスなどを考量して、患者と医療者の意思決定を支援するために最適と考えられる推奨を提示する文書。 」である。
(公益財団法人 日本医療機能評価機構 EBM 普及推進事業(Minds)「よくわかる診療ガイドライン」(2017)より引用)

(2)系統的レビュー(システマティック・レビュー)は、同じテーマに関する複数の研究結果を収集し、分析、統合する統計技法。

(3)メタアナリシスは、複数の研究において得られた効果を総合的に判断するときに有用である。

(4)臨床経験の豊富な権威者による意見は、エビデンスの強さとしては最も低いレベルにある。

 エビデンスレベル高いものとして、系統的レビューやランダム化比較試験のメタアナリシスなどがあげられる。

(5)民間企業との共同研究で得られた成果は、利益相反(COI:Conflict of Interest)を開示する必要がある

33-5 疾病のスクリーニングに関する記述である。

33-5 疾病のスクリーニングに関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)ROC曲線は、縦線を敏感度、横軸を特異度として描く。
(2)偽陽性率は、敏感度を高くすれば低くなる。
(3)敏感度と特異度が一定の場合、陽性反応適中度は、有病率が高くなると低くなる。
(4)スクリーニング検査は、有病率が高い疾病に適している。
(5)スクリーニングは、疾病の診断を目的とする。

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(1)ROC曲線は、縦線を敏感度、横軸を偽陽性率として描く。

(2)偽陽性率は、特異度を高くすると低くなる。

 偽陽性率(1-特異度)は、特異度が高くなると低くなる。
敏感度と特異度は、トレードオフの関係にあり、敏感度が高くなれば特異度は低くなる。逆に、特異度が高くなれば敏感度は低くなる。

(3)敏感度と特異度が一定の場合、陽性反応適中度は、有病率が高くなると高くなる。

陽性反応適中度とは、検査で陽性になったもののうち実際に疾病を持っていたものの割合を占める。敏感度と特異度が一定の場合は有病率が高くなると高くなり、有業率が低くなると低くなる。

(4)スクリーニング検査は、有病率が高い疾病に適している。

(5)スクリーニングは、疾病の有無を発見するためのふるいわけを目的とする。

33-44 感染症の感染経路に関する記述である。

33-44 感染症の感染経路に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。

(1)結核は、空気感染である。
(2)コレラは、水系感染である。
(3)アニサキスは、いかの生食で感染する。
(4)風疹は、胎児に垂直感染する。
(5)C型感染は、経口感染である。

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(1)結核は、空気感染である。

 日本では、まだ毎年およそ1万7千人の結核の感染者が発生している。

(2)コレラは、水系感染である。

 主に感染者の排泄物や吐しゃ物によって汚染された水や食物などが感染源となる。

(3)アニサキスは、いかの生食で感染する。

(4)風疹は、胎児に垂直感染する。

(5)C型感染は、血液感染である。

 A型肝炎やE型肝炎は、経口感染である。

33-43 免疫・アレルギー疾患とその特徴的な症候の組合せである。

33-43 免疫・アレルギー疾患とその特徴的な症候の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)急性糸球体腎炎―――――低血圧
(2)強皮症―――――――――蝶形紅斑
(3)シューグレン症候群―――唾液分泌低下
(4)バセドウ病―――――――体重増加
(5)橋本病―――――――――眼球突出

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(1)急性糸球体腎炎―――――高血圧

 急性糸球体腎炎では、高血圧や血尿、浮腫、蛋白尿などがみられる。

(2)全身性エリテマトーデス―蝶形紅斑

 蝶形紅斑は、全身性エリテマトーデスでみられる症状である。

(3)シューグレン症候群―――唾液分泌低下

(4)バセドウ病―――――――体重減少

 バセドウ病および甲状腺機能亢進症では、エネルギー代謝亢進により体重減少がみられる。

(5)バセドウ病―――――――眼球突出

 眼球突出は、バセドウ病の症状の一つである。橋本病ではみられない。

33-42 免疫グロブリンに関する記述である。

33-42 免疫グロブリンに関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)1本のH鎖と1本のL鎖から構成される。
(2)液性免疫を担当する。
(3)血中に最も多く存在するのは、IgEである。
(4)母乳中に最も多く存在するのは、IgMである。
(5)IgAは、胎盤を通過する。

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(1)2本のH鎖と2本のL鎖から構成される。

(2)液性免疫を担当する。

(3)血中に最も多く存在するのは、IgGである。

(4)母乳中に最も多く存在するのは、IgAである。

(5)IgGは、胎盤を通過する。

33-41 貧血に関する記述である。

33-41 貧血に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)ビタミンB6欠乏は、巨赤芽球性貧血をきたす。
(2)銅の欠乏は、再生不良性貧血をきたす。
(3)溶血性貧血では、ハプトグロビン高値となる。
(4)腎性貧血では、エリスロポエチン高値となる。
(5)鉄欠乏性貧血では、不飽和鉄結合能(UIBC)高値となる。

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(1)ビタミンB12欠乏は、巨赤芽球性貧血をきたす。

(2)銅の欠乏は、銅欠乏性貧血をきたす。

 再生不良性貧血は、骨髄の造血幹細胞の異常により起こる。

(3)溶血性貧血では、ハプトグロビン低値となる。

(4)腎性貧血では、エリスロポエチン低値となる。

エリスロポエチンは、赤血球の生成に働くホルモンである。腎機能の低下により分泌が低下し、腎性貧血を引き起こす。

(5)鉄欠乏性貧血では、不飽和鉄結合能(UIBC)高値となる。

33-40 生殖器の構造と機能に関する記述である。

33-40 生殖器の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)卵巣は、卵胞ホルモン刺激ホルモンを分泌する。
(2)子宮は、底部で膣と連続している。
(3)子宮内膜の増殖は、エストロゲンで促進される。
(4)前立腺は、内分泌腺である。
(5)精子は精嚢で作られる。

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(1)下垂体前葉から、卵胞ホルモン刺激ホルモンが分泌される。

 卵巣から分泌されるホルモンは、エストロゲンとプロゲステロンである。

(2)子宮は、頸部で膣と連続している。

(3)子宮内膜の増殖は、エストロゲンで促進される。

(4)前立腺は、外分泌腺であり前立腺液を分泌する。

(5)精子は精細管のセルトリ細胞で作られる。

33-39 神経系の構造と機能に関する記述である。

33-39 神経系の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)交感神経が興奮すると、消化管の運動は亢進する。
(2)副交感神経が興奮すると、唾液の分泌は減少する。
(3)摂食中枢は、延髄にある。
(4)三叉神経は、味覚の伝達に関与する。
(5)味蕾は、味覚の受容器である。

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(1)交感神経が興奮すると、消化管の運動は減弱する。

また、副交感神経が興奮すると、消化管の運動は亢進する。

(2)副交感神経が興奮すると、唾液の分泌は増加する。

また、交感神経が興奮すると、唾液の分泌は減少する。

(3)摂食中枢は、間脳の視床下部外側野にある。

また、満腹中枢は視床下部内側野にある。

(4)顔面神経と舌咽神経は、味覚の伝達に関与する。

(5)味蕾は、味覚の受容器である。

33-38 骨に関する記述である。

33-38 骨に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)骨の主な無機質成分は、炭酸カルシウムである。
(2)骨端軟骨は、骨端の関節面を覆う。
(3)骨への力学的負荷は、骨量を増加させる。
(4)骨芽細胞は、骨吸収を行う。
(5)ビスホスホネート薬は、骨吸収を促進する。

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(1)骨の主な無機質成分は、リン酸カルシウムである。

(2)間接軟骨は、骨端の関節面を覆う。

(3)骨への力学的負荷は、骨量を増加させる。

(4)骨芽細胞は、骨形成を行う。

 骨吸収は、破骨細胞が行う。

(5)ビスホスホネート薬は、骨吸収を抑制する。

骨の代謝は、主にカルシトニンやパラソルモンによって調節されている。血中のカルシウム濃度が上昇すると甲状腺傍濾胞細胞からカルシトニンが分泌され、破骨細胞に作用して骨吸収を抑制して、骨芽細胞に作用して骨形成を促す。逆に血中のカルシウム濃度が低下するとパラソルモンが分泌され骨吸収を促進し骨形成は抑制される。

33-37 肺炎に関する記述である。

33-37 肺炎に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)クリプトコッカスは、細菌性肺炎の原因となる。
(2)肺炎球菌は、非定型肺炎の原因となる。
(3)市中肺炎は、入院後48時間以降に発症した肺炎である。
(4)院内肺炎は、日和見感染であることが多い。
(5)誤嚥性肺炎は、肺の上葉に好発する。

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(1)クリプトコッカスは、肺真菌症の原因となる。

(2)マイコプラズマやレジオネラ、クラミジアなどは、非定型肺炎の原因となる。

(3)院内肺炎は、入院後48時間以降に発症した肺炎である。

(4)院内肺炎は、日和見感染であることが多い。

院内肺炎の主な原因菌として、MSSAやMRSAなどの黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、緑膿菌などがある。

(5)誤嚥性肺炎は、肺の下葉(背中側)に好発する。

33-36 神経疾患に関する記述である。

33-36 神経疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)脚気では、末梢神経の障害がみられる。
(2)葉酸欠乏症では、脊髄の変性がみられる。
(3)レビー小体型認知症の原因は、脳血管障害である。
(4)アルツハイマー型認知症では、パーキンソン病様症状がみられる。
(5)パーキンソン病では、錐体路の機能障害がみられる。

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(1)脚気では、末梢神経の障害がみられる。

脚気は、ビタミンB1の欠乏によって起こる。

(2)妊婦の葉酸欠乏症では、児の二分脊椎症がみられることがある。

(3)脳血管障害は、脳血管性認知症の原因となる。

レビー小体型認知症のはっきりとした原因は、不明である。

(4)レビー小体型認知症では、パーキンソン病様症状がみられる。

アルツハイマー型認知症では、物忘れや幻覚、意欲の低下、判断力の低下などがみられる。
パーキンソン病では、振戦、動作の緩慢、歩行障害、筋固縮などがみられる。

(5)パーキンソン病では、錐体外路の機能障害がみられる。

33-35 内分泌疾患に関する記述である。

33-35 内分泌疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)原発性アルドステロン症では、高カリウム血症がみられる。
(2)甲状腺機能亢進症では、徐脈がみられる。
(3)ADH不適切分泌症候群(SIADH)では、高ナトリウム血症がみられる。
(4)褐色脂肪腫では、低血糖がみられる。
(5)クッシング症候群では、中心性肥満がみられる。

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(1)原発性アルドステロン症では、低カリウム血症がみられる。

(2)甲状腺機能低下症では、徐脈がみられる。

甲状腺機能亢進症では、頻脈がみられる

(3)ADH不適切分泌症候群(SIADH)では、低ナトリウム血症がみられる。

(4)褐色脂肪腫では、高血糖がみられる。

(5)クッシング症候群では、中心性肥満がみられる。

クッシング症候群では、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の過剰により血中のコルチゾールが高値となる。特徴的な症状として、満月様顔貌や中心性肥満がみられる。

33-34 腎・尿路系疾患に関する記述である。

33-34 腎・尿路系疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)急激な腎血流量減少は、腎前性急性腎不全の原因になる。
(2)糖尿病腎症の第4期は、たんぱく尿の出現で判定される。
(3)慢性腎不全では、低リン血症がみられる。
(4)腎代替療法のうち最も多いのは、腎移植である。
(5)無尿は、透析導入の必須項目である。

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(1)急激な腎血流量減少は、腎前性急性腎不全の原因になる。

(2)糖尿病腎症の第3期Aからは、たんぱく尿の出現が判定項目に含まれる。

第4期では、たんぱく尿の有無は問わず、腎機能・GFR(eGFR)(ml/分/1.73m2)によって判定される。

(3)慢性腎不全では、高リン血症がみられる。

(4)腎代替療法のうち最も多いのは、血液透析である。

(5)無尿は、透析導入の必須項目ではない。無尿でなくても、腎機能(GFR)や臨床症状の有無によって透析導入が検討される。

33-33 腎臓の構造と機能に関する記述である。

33-33 腎臓の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)原尿は、尿細管で生成される。
(2)糸球体に流入する血液は、静脈血である。
(3)アルドステロンは、カリウムの再吸収を促進する。
(4)バソプレシンは、水の再吸収を促進する。
(5)糸球体濾過量は、腎血流量の約90%である。

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(1)原尿は、腎小体で生成され、糸球体の毛細管で濾過され尿が作られる。

(2)糸球体に流入する血液は、動脈血である。

(3)アルドステロンは、ナトリウムと水の再吸収を促進しカリウムの排泄は抑制する。血圧上昇に関与するホルモンである。

(4)バソプレシンは、下垂体後葉から分泌されるホルモンで水の再吸収を促進する。

(5)糸球体濾過量は、年齢により異なるが健常人で100ml/分/1.73m2程度である。(腎血流量は1000ml/分程度なので約90%もない。)

33-32 脳血管障害に関する記述である。

33-32 脳血管障害に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)ラクナ梗塞は、脳動脈瘤がリスク因子である。
(2)一過性脳虚血発作(TIA)は、脳出血の前駆症状である。
(3)脳出血は、頭部CTで低吸収領域として示される。
(4)くも膜下出血は、症状に激烈な頭痛がある。
(5)脳塞栓は、症状発現が緩徐である。

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(1)脳動脈瘤は、くも膜下出血のリスク因子である。

 ラクナ梗塞は、脳のごく細い血管(穿通枝)が詰まって起こる。

(2)一過性脳虚血発作(TIA)は、脳梗塞の前駆症状である。

(3)脳出血は、頭部CTで高吸収領域として示される。

(4)くも膜下出血は、症状に激烈な頭痛がある。

(5)脳塞栓は、症状発現が急激である。