〇⑴ 質量パーセント濃度が同一であれば、ショ糖より食塩の方が浸透圧を高める効果が大きい。
正しい。「濃度が高いほど」=「溶液中に溶けている分子(粒々)の数が多いほど」、浸透圧は高い。
厳密な話をするとイオン化の話にも触れるべきだがここでは単純に同じ質量の分子の数だけで考える。
まず、質量パーセント濃度とは例えば「1gが水1Lに溶けている」 ≒ 「質量パーセント濃度0.1%」のことである。
よって問題文の「質量パーセント濃度が同一」というのは、実質的に「同じ質量」と読み替えても問題ない。
そしてここで、食塩(NaCl, 分子量58.5)とショ糖(C12H22O11, 分子量342)をそれぞれ1gずつ用意した場合、
食塩の方が分子1つあたりの質量( ≒ 分子量)が小さいので
同じ重さ分集めると分子の数が多いのは食塩である。
※イメージとしては「パチンコ玉とボウリングの玉を10kg分用意するなら粒々の数が多いのはどちら?」と同じ。
よって、質量パーセント濃度が同一であればショ糖より食塩の方が浸透圧が高い。
⑵ レトルト食品の殺菌は、〔 120°Cで4分以上 〕行う。
食品衛生法の容器包装詰加圧加熱殺菌食品では120°C 4分以上での加熱または同等の方法と定められている。
また他の食品に関しての基準も下記サイトにて消費者庁がまとめてくれている。
消費者庁 食品別の規格基準について (2025年4月20日閲覧)
37-63にも出題されている。
⑶ 水分活性0.9以上において、ほとんどの微生物の増殖は〔 抑制できない 〕。
一般的に、細菌は0.9以上、酵母は0.85以上、カビは0.8以上の水分活性で増殖するとされている。
そのため、水分活性0.9以上だと大半の微生物が増殖できてしまう。
(※数値は教科書や参考書により多少異なる。酵母0.88などだが大まかに覚えておけば国試は解けるのでキリのいい上記を採用する)
⑷ 無機酸の微生物増殖抑制効果は、有機酸より〔 劣っている 〕。
一般に、有機酸(酢酸や乳酸など)の方が微生物増殖抑制効果が高い。
※食品の保存に塩酸や硫酸ではなく酢酸を使っているところからイメージしておくと覚えやすい。
⑸ チルドとは、食品を〔 凍結しない温度帯 〕で貯蔵することである。
チルドは通常0~5°C前後の凍結しない温度帯で保存する方法である。
半凍結状態での保存は、パーシャルフリージングである。
38-62(4)で出題されている。
文責:アヒル