39-134 イレウスにより空腸の一部、回腸全体および回盲弁を切除し、空腸と結腸を吻合した。残存小腸は約100cmであった。この患者の病態の経過および栄養管理に関する記述である。

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39-134  イレウスにより空腸の一部、回腸全体および回盲弁を切除し、空腸と結腸を吻合した。残存小腸は約100cmであった。この患者の病態の経過および栄養管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

⑴ 第(術直後期)には、腸蠕動運動の亢進後に腸管麻痺が起こる。

⑵ 第(術直後期)には、経腸栄養法とする。

⑶ 第(回復適応期)には、下痢の回数が増加する。

⑷ 第(回復適応期)には、経口摂取を禁忌とする。

⑸ 第(安定期)には、ビタミンB12を注射により補給する。

 

厚生労働省. 『第39回管理栄養士国家試験の問題(午後の部)』(2025) .

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001428961.pdf, (2025年7月27日閲覧)

解答・解説を見る

 

⑴ 第(術直後期)には、〔 腸管麻痺の後に腸蠕動運動の亢進 〕が起こる。

術直後に一度、腸管が麻痺し、その後1ヶ月程度で腸の蠕動運動の亢進が起きる。

イメージとしては術後のショックで麻痺し、治癒に伴って回復(亢進)する。と考えればば良い。

 

⑵ 第(術直後期)には、〔 中心静脈栄養法 〕とする。

術直後経腸栄養は実施できない (生傷に食物を送り込むのは・・・)。

中心静脈栄養を用いる

 

⑶ 第(回復適応期)には、下痢の回数が〔 減少する 〕。

回復が進むにつれて、下痢の回数も減少する

 

⑷ 第(回復適応期)には、〔 経口摂取へ移行していく 〕。

経口摂取禁忌イレウス(腸閉塞)の場合であり、

術直後期の経静脈栄養を経て、

回復適応期には経腸栄養→経口摂取へと移行していく必要がある。

 

⑸ 第(安定期)には、ビタミンB12を注射により補給する。

正しい。安定期術後数年が経ったタイミングであり、

本来なら、小腸で吸収されるはずのビタミンB12の欠乏が現れる時期である。

そのため、積極的にビタミンB12を補給する必要がある。

ただし、経口摂取しても吸収率が著しく低下しており意味がないので

注射により補給する。

 

 

 

文責:アヒル


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