39-117 食品が医薬品に及ぼす影響に関する記述である。

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39-117 食品が医薬品に及ぼす影響に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

  牛乳は、ビスホスホネート薬の効果を減弱する。

  グレープフルーツジュースは、カルシウム拮抗薬の効果を減弱する。

⑶ クロレラは、ワルファリンの効果を増強する。

⑷ セント・ジョーンズ・ワートは、テオフィリンの効果を増強する。

⑸ 納豆は、スタチンの効果を増強する。

厚生労働省. 『第39回管理栄養士国家試験の問題(午後の部)』(2025) .

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001428961.pdf, (2025年4月20日閲覧)

解答・解説を見る

同様の36-117にほぼ同様の出題がされている。合わせて確認しておきたい。

 

  牛乳は、ビスホスホネート薬の効果を減弱する。

正しい。ビスホスホネートは骨粗鬆症の治療薬として用いられる薬剤の一種である。

牛乳に含まれるカルシウムビスホスホネートと結合して薬剤の吸収率を大幅に低下させてしまう。

そのため牛乳はビスホスホネートのはたらきを減弱する

 

  グレープフルーツジュースは、カルシウム拮抗薬の効果を〔 増強する 〕。

ドがつくほどの頻出である。グレープフルーツに含まれる成分

薬物代謝酵素(薬物を分解する酵素)のはたらきを阻害(競合阻害)するため

カルシウム拮抗薬が分解されず、想定以上に効き過ぎてしまう

 

詳しくは下記の動画(4:01〜)を参照のこと

 

⑶ クロレラは、ワルファリンの効果を〔 減弱する 〕。

クロレラにはビタミンKが多く含まれる。

ビタミンKには血液凝固を促進するはたらきがあるが、

一方でワルファリン血栓予防(血液をサラサラにする)の薬である。

よって両者を併用して摂取すると、

血液をサラサラにする薬   VS   ビタミンK(血液を固める成分)

となり、それぞれを打ち消しあってしまいワルファリンの効果を減弱させてしまう

 

⑷ セント・ジョーンズ・ワートは、テオフィリンの効果を増強する。

セント・ジョーンズ・ワートは、

抗うつ薬&抗不安薬の類(選択的セロトニン再取り込み阻害薬:SSRI、モノアミンオキシダーゼ阻害剤:MAOI、ベンゾジアゼピン系薬剤)を増強させる

それ以外のほとんど全ての薬剤の効果を減弱させる

 

⑸ 納豆は、スタチンの効果を増強する。

納豆にはビタミンKが多く含まれているため(3)のワルファリンと関連して出題されやすい。

しかし、スタチン(コレステロール合成阻害薬)とは関係ないためこの問題は誤りとなる。

強いていうなら、セント・ジョーンズ・ワートがスタチンの働きを減弱させる。

 

 

文責:アヒル


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