がんの化学薬剤は細胞分裂機構(微小管など)や DNA合成機構に作用し、細胞分裂が活発ながん細胞を障害する。しかし同時に、造血前駆細胞や消化管(口腔、胃腸)上皮細胞、毛母細胞など、分裂が活発な正常細胞もダメージを受け、骨髄抑制や消化不良、脱毛等がみられる。また微小管に作用する薬剤の場合、神経伝達の障害がみられる。
〇 (1) 抗がん剤による口腔内粘膜の障害と、骨髄抑制による免疫低下で、口腔内の炎症が起こりやすくなる。
〇 (2) 正常細胞にも毒性がある薬剤が嘔吐中枢を刺激し、体は薬剤を吐き出そうとして嘔吐する。
〇 (3) 抗がん剤による消化管の機能障害により、十分な消化・吸収ができず下痢になる。
〇 (4) 自律神経の障害によって腸の蠕動運動が鈍り、便秘になる。
(5) 抗がん剤による消化器の機能低下などにより、食欲は低下する。