肝臓に炎症などの障害があると肝細胞が壊れる。その修復のために線維質(コラーゲン)が蓄積し、肝組織が硬くなる病気を肝硬変という。肝硬変により、門脈圧上昇や肝機能低下がみられる。
(1) A型肝炎ウイルスは肝炎を引き起こし、肝組織を障害する。それが進行すると肝硬変になるが、肝硬変に起因する病態ではないので誤り。
(2) アルブミンは肝臓で作られる。肝硬変で肝機能が落ちるとアルブミン産生が低下し、低アルブミン血症になる。
(3) γ-グロブリンは抗体を構成する免疫タンパク質で、肝炎や肝硬変による炎症で増加するとされる。
(4) コリンエステラーゼ(ChE)は肝臓で作られる。肝硬変で肝機能が落ちるとChE産生が低下し、ChE活性も落ちる。
〇 (5) 食道などの消化管や、脾臓からの静脈血を肝臓に送る血管を門脈という。肝硬変で肝臓が硬くなると、門脈血が肝臓内に流入しづらくなる。すると門脈から分岐した食道静脈に、通常より多くの血液が逆流し、血管に瘤(こぶ)ができる。これを食道静脈瘤という。