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糖尿病には1型と2型があり、2型は肥満やストレス、運動不足による膵臓機能低下やインスリン抵抗性に起因する。1型は自己免疫疾患によって膵臓の細胞が障害され、インスリン産生が低下することで起こる。
(1) インスリンは、膵臓ランゲルハンス島
β(B)細胞から放出される。
膵臓のランゲルハンス島では、α細胞から血糖値上昇ホルモンのグルカゴン、β細胞から血糖値低下ホルモンのインスリンが産生・放出される。
(2) 肥満者では、インスリン
抵抗性が亢進している。
インスリンが効く状態をインスリン感受性、効かない状態をインスリン抵抗性という。脂肪細胞が放出するサイトカインや遊離脂肪酸が、インスリン受容体のシグナル伝達を阻害する。
(3) 細胞内グルコース利用能は、
低下している。
インスリンは、各細胞に血中グルコースを取り込ませて血糖値を下げる。2型糖尿病ではインスリンが効かないため、細胞がグルコースをうまく取り込めず、利用能が低下する。
〇 (4) 2型糖尿病ではインスリンが効かず、細胞が糖を使えないため、エネルギーとして脂肪が使われる。脂肪分解により酸性のケトン体が増え、生体内は酸性に傾き、代謝性アシドーシスを呈しやすい。
(5) 血清糖化アルブミン値は、
上昇する。
グルコースは反応性の高いアルデヒド基を持ち、アルブミン等の血中タンパク質のN末端に結合する。血糖値が高いほど、血清糖化アルブミン値は上昇する。