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日本乳業協会によれば、乳児用液体ミルクの製品化にはまだ数年かかるだろうとのこと。
まず、乳児用液体ミルクとはどのようなものなのか、そしてどのようなメリットやデメリットがあるのだろうか。
目次
乳児用液体ミルクとは?
乳児用液体ミルクは、地震による震災で注目を浴びた。
乳児用液体ミルクは、既に液体の状態で容器に入っておりお湯を沸かしたり常温まで冷ましたりする必要がない。
それに対して、粉ミルクで乳児用ミルクをつくるには、清潔であるとともに沸かしたお湯を用意したり器具を消毒する必要がある。
しかし、被災地ではお湯を確保することは容易ではないのが現状である。
乳児は1歳頃までミルクを飲み続け、月齢によるがその回数は一日数回に及ぶ。しかし、十分な水と熱源を用意できなければその回数や量を確保することも難しい。
そのような中で注目されるようになったのが液体ミルクである。
液体ミルクのメリットとデメリット
考えられるメリット
・ お湯を沸かす、常温に冷ますなどの操作が不要で、粉ミルクよりも手軽である。
・ 器具の消毒や容器の洗浄の必要がない。
・ 災害時に用いりやすく、乳児の栄養不足を防ぐ。
・ 母親の負担を低減する。
・ 男性でも使用しやすい。
など
メリットとしては、前述したように粉ミルクよりと違ってミルクを作るためにお湯を必要としないことがある。これによって、十分な水や熱源が無くとも乳児にミルクを与えることができる。
乳児にとって、ミルクは重要な栄養源であり。これが用意できないというのは死活問題である。乳児には、粉ミルク又は母親の母乳を与えることとなるが、十分に母乳が出なかったり母乳が出にくい母親では粉ミルクを使用せざるを得ない。
また、粉ミルクでは使用した瓶を洗浄するための水なども必要となることから、ペットボトルなどに入っている乳児用液体ミルクではその肯定が不要であるのもメリットの一つといえる。
そして、被災地では乳児用液体ミルクの普及により、乳児の栄養状態の保持だけでなく母親の精神的・身体的負担の低減にもつながるのではないだろうか。
お湯がほしいが遠慮してしまい乳児へ十分な栄養を与えられない母親や、お湯の確保のために周囲へ頼むことに気負いしてしまう母親にとっては、乳児用液体ミルクは気兼ねなく乳児に栄養を与えることができるのではないかと考えられる。
また、乳児用液体ミルクは取り扱いが容易であることから男性の育児参加の面でも注目されている。
考えられるデメリット
・ 乳児用液体ミルクにはまだ、衛生・安全の基準が無い。
・ 粉ミルクと比較して容器ゴミの発生量が多い
・ 湯沸かしが不要であるが、ミルクを人肌にあたためる必要がある。
など
デメリットとしては、まず衛生・安全面で検討が必要という点である。
まだ、日本には乳児用液体ミルクの衛生・安全管理の基準がないため、新たに基準を作成しなくてはならない。
また、乳児用液体ミルクが重宝されると予測される被災地などでは、冷蔵庫などが無い限り、乳児用液体ミルクを常温でも保管できなければならない。
このようなことから、製造方法から保管方法、衛生・安全基準までまだ検討しなくてはならないことが多いのも現在の問題点である。
また、粉ミルクと比較して容器の洗浄が不要である乳児用液体ミルクであるが、容器を使用する分ゴミの発生する量は問題の一つとなる。
乳児用液体ミルクの解禁に向けての動きは5年以上前からあるが未だに解禁されていない。
乳児用液体ミルクを利用できるようになれば、災害時の乳児の栄養状態の保持に役立つのではないかと考えられるが、乳児用液体ミルクを使用することのできない現在では、解禁に向けての動きだけでなく、その他の改善策を考えることも重要であることを忘れてはいけない。
Nスタディでは、乳児用ミルクに関する皆様の意見を募集します。(コメント欄よりご意見をお寄せください。)
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