39-174, 175 K社健康保険組合の管理栄養士である。 対象者は、40歳、男性。喫煙習慣なし。一人暮らし。昔からお酒が好きだが、体重が 増えてきたので、外食のビール1杯と家ではチューハイ1缶で我慢している。 小学生の頃に、サッカーを始め、大学まで打ち込んできた。就職してからもサッカーを 趣味として続けていたが、忙しくなり30歳からやめている。 30歳台から体重が増加していたが、あまり気にしてこなかった。 40歳時の健診で、特定保健指導の動機付け支援の対象となった。

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39-174, 175  次の文を読み「174」、「175」に答えよ。

K社健康保険組合の管理栄養士である。対象者は、40歳、男性。喫煙習慣なし。一人暮らし。昔からお酒が好きだが、体重が

増えてきたので、外食のビール1杯と家ではチューハイ1缶で我慢している。

小学生の頃に、サッカーを始め、大学まで打ち込んできた。

就職してからもサッカーを趣味として続けていたが、忙しくなり30歳からやめている。

30歳台から体重が増加していたが、あまり気にしてこなかった。40歳時の健診で、特定保健指導の動機付け支援の対象となった。

身長178cm、体重90kgBMI28.4kg/m2、腹囲98.5cm20歳時の体重72kg

血圧128/82mmHg。空腹時の血液検査値は、総コレステロール190mg/dL、トリグリセリド185mg/dLLDLコレステロール110mg/dL

HDLコレステロール43mg/dL、血糖98mg/dLHbA1c 5.5%。平日の食事内容は、表のとおりである。

 

 

39-174 初回面接で、対象者は「食事のことはよく分からないので、運動で体重を減らしたいです。サッカーを再開するために、ジョギングを始めたいと思います。」と話した。3か月間で3kg減らす目標を設定した。体重のセルフモニタリングに加えて、運動と食事に関するプランを提案する。ジョギングの身体活動の強度は7メッツである。このプランに関する助言として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

⑴ ジョギングを毎日30分して、食事はそのままで良いですよ。

⑵ ジョギングを週4日、30分ずつして、食事はできそうなことからやってみましょう。

⑶ ジョギングを週2時間して、カフェラテは無糖にしましょう。

⑷ ジョギングを週3時間して、お酒をやめましょう。

 

 

39-175 3か月後の評価で、目標体重を達成していた。対象者は3か月間を振り返り、「体重を測ることが大事だと分かりました。体重を測れば、増えた理由を自分で考えるし、食事のことも気にするようになりました。」と話した。
今後に向けた助言として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

⑴ 体重管理に必要なスキルが身についたのは、すばらしいですね。

⑵ 今後、体重を測ることを、周囲の人にも勧めてくださいね。

⑶ 食事にも関心を持たれるようになったので、食事内容の改善にも取り組んでみませんか。

⑷ 20歳時の体重を目標に、さらに体重を減らせるように頑張りましょう。

 

 

厚生労働省. 『第39回管理栄養士国家試験の問題(午後の部)』(2025) .

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001428961.pdf, (2025年8月17日閲覧)

解答・解説を見る

 

39-174 初回面接で、対象者は「食事のことはよく分からないので、運動で体重を減らしたいです。サッカーを再開するために、ジョギングを始めたいと思います。」と話した。3か月間で3kg減らす目標を設定した。体重のセルフモニタリングに加えて、運動と食事に関するプランを提案する。ジョギングの身体活動の強度は7メッツである。このプランに関する助言として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

 

3ヶ月で体重を3kg減らすとあるので、まずは、1日あたりどの程度、

運動による消費 or 食事制限による低減

を目指すかを考えなければいけない。

体脂肪1kgあたり7200kcalなので、体脂肪3kg分のエネルギー量

3 kg × 7200 kcal/kg  = 21600 kcalとなる。

このエネルギーを90日(3ヶ月)で割ると、1日あたりに減らすべきエネルギー量が算出できる。

21600 kcal ÷ 90 日 = 240 kcal これが1日あたり減らすべきエネルギー量となる。

ちなみに1週間なら240 × 7 = 1,680 kcalの消費が必要となる。

そしてこの量を減らせる選択肢が正解となる。

 

また運動による消費

メッツ × 時間 × 体重 × 1.05 で求められるのでこの式を用いて検討する。
※1.05は用いなくても計算できることが多い。
市民講座などで扱うときも値はたいして変わらないので省略する時がある。
この問題でも1.05の計算なしに答えを導ける。

 

⑴ ジョギングを毎日30分して、食事はそのままで良いですよ。

運動による消費量 = メッツ × 時間 × 体重 × 1.05

= 7メッツ × 0.5時間 × 90 kg × 1.05 = 330.75 kcal/日となる。

またこの強度の運動を毎日することになっているので、1日に消費する量として多すぎる

 

⑵ ジョギングを週4日、30分ずつして、食事はできそうなことからやってみましょう。

(1)と運動の強度時間は同じなので、計算過程は省略して

運動による消費量 = 330.75 kcal/日となる。

(1) と違い、こちらは1週間に4日なので、1週間あたりの消費量は1323 kcal/週である。

前述の通り、1週間あたりだと1,680 kcalの消費が必要なので、360 kcal程度不足している。

食事で360kcal減らせれば良いが、この選択肢では「できることからやりましょう」しか提案しておらず

削減は見込めず、不適となる

 

⑶ ジョギングを週2時間して、カフェラテは無糖にしましょう。

運動による消費量 = メッツ × 時間 × 体重 × 1.05

= 7メッツ × 2 時間 × 90 kg × 1.05 = 1323 kcalとなる。

これは週に2時間という指定なので、1週間あたりの消費量は1323 kcal/週である。

1週間あたり1,680 kcalの消費が必要なのに対し、360 kcal程度不足している。

この分を1週間の食事から削減する必要があるが、

この選択肢ではカフェラテを無糖に変えるという比較的実行しやすい提案

かつ、1週間で360kcal(1日あたり50~60kcal)十分減らせる提案なのでこの選択肢が正しい

 

⑷ ジョギングを週3時間して、お酒をやめましょう。

運動による消費量 = メッツ × 時間 × 体重 × 1.05

= 7メッツ × 3 時間 × 90 kg × 1.05 = 1984.5 kcal/週となる。

この時点で消費エネルギーが多すぎるため、対象者にとって負荷が重すぎる

また、現時点でお酒を我慢しているので、

これ以上お酒を制限するのは対象者にとって負担が重くそういった面でも不適である。

 


39-175 3か月後の評価で、目標体重を達成していた。対象者は3か月間を振り返り、「体重を測ることが大事だと分かりました。体重を測れば、増えた理由を自分で考えるし、食事のことも気にするようになりました。」と話した。
今後に向けた助言として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

 

⑴ 体重管理に必要なスキルが身についたのは、すばらしいですね。

対象者に共感するのは面談時の返答として適しているが、問題文の「今後に向けた助言としてを達成していないので不適となる

 

⑵ 今後、体重を測ることを、周囲の人にも勧めてくださいね。

周囲の人に体重を測ることを薦めさせても、本人の「今後に向けた助言にはならないので不適である

 

⑶ 食事にも関心を持たれるようになったので、食事内容の改善にも取り組んでみませんか。

正しい。対象者の現状を認め、褒めたうえで、「今後に向けた助言」として

食事内容の改善を提案しているので、この選択肢が最適となる。

他の選択肢が酷すぎるので消去法でも選べるかもしれない。

 

⑷ 20歳時の体重を目標に、さらに体重を減らせるように頑張りましょう。

3ヶ月で3kg減らすことを達成した対象者にとって、

次の目標が20歳時の体重(72kg)というのは流石にハードすぎる

刻むだろっ!普通もっと・・・!!段階をっ・・!

 

文責:アヒル


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