39-131 14歳、女性。神経性やせ症。BMI 16.5kg/m2。母親に伴われ外来受診した。初回の栄養食事指導に関する記述である。

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39-131  14歳、女性。神経性やせ症。BMI 16.5kg/m2。母親に伴われ外来受診した。初回の栄養食事指導に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

⑴ 1か月後の体重増加目標量を決める。

⑵ 体重を毎日測定するように指示する。

⑶ 過食症状の有無を確認する。

⑷ 食欲が増すように運動を推奨する。

⑸ 栄養バランスを整えるように食事内容を指導する。

 

厚生労働省. 『第39回管理栄養士国家試験の問題(午後の部)』(2025) .

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001428961.pdf, (2025年7月27日閲覧)

解答・解説を見る

神経性やせ症の初回指導に関しての問題である。

これに対しては「神経性やせ症初期診療の手引き」というものがあり、

これをもとに考えるのが本筋ではある。

 

⑴ 1か月後の体重増加目標量を決める。

上記、手引きIV-2に、

栄養投与初期は、算出したエネルギー必要量を目標とする“とあるので、初回の面談で1ヶ月後の目標体重は決めない

ただし、“外来では2-4週間で0.5kgの増加を目標とすることが多い”とあるため、

投与初期を乗り越えた次のステップとして0.5kg/2~4週の増加を目指す

 

⑵ 体重を毎日測定するように指示する。

摂食障害患者は体重増加に敏感であるので、

毎日体重を測定させるのは、かえって対象者を追い込むことになるため毎日測定させる必要はない

 

⑶ 過食症状の有無を確認する。

上記、手引きII-3に、

拒食症=神経性やせ症、「摂食制限型」 と 「過食・排出型」

と定義されており、それぞれ下記の特徴がある。

摂食制限型 :極端な食事制限(+運動)で体重を減量する

過食・排出型過食→嘔吐の流れで減量する

これらのうちどちらか?を把握しないことには、適切な栄養食事指導に臨めないため、

過食症状の有無を確認する必要がある

 

⑷ 食欲が増すように運動を推奨する。

(3)に書いた通り、摂食制限型は極端な運動をしている場合がある。そのため運動を推奨する必要はない

また、神経性の症状であるため、運動を行うだけで食欲が増し、やせが改善することは考えにくく

かえって消費エネルギーのみが増加し、やせを加速させる可能性がある

 

⑸ 栄養バランスを整えるように食事内容を指導する。

初回面談であるため、栄養バランスの是正ではなく、

問題なく摂食を行うための行動変容を起こす働きかけをするべきである。

 

文責:アヒル


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