そもそも、低張性脱水とは大量に発汗したあとなど
「水と電解質の両方を喪失したときに水のみを大量に補充することで生じる」もので
「水はあるけど、電解質が足りない」状態の脱水を指します。
それを踏まえて「低張性」=「水はある, 電解質は足りない」=「血液の濃度が低い」=「浸透圧が低い」を軸に考えましょう。
↑上記のイコールで書いた連想ゲームはすごく大切です。
(1) 血漿ナトリウムイオン濃度が〔
低下 〕する。
低張性脱水は「水分はあるけど、ナトリウムなどの電解質が足りていない状態」なので、
当然、血漿ナトリウムイオン濃度は低下します。
(2) 血漿浸透圧が〔
低下 〕する。
(1)をもとに考えると血漿ナトリウム濃度は低下しているので浸透圧は低下しています。
「食塩の摂取過多」=「ナトリウムイオンの増加」=「血漿浸透圧の増加」=「循環血液量増加」=「高血圧」と真逆の反応だと思ってください。
〇(3) 血圧が低下する。
正しい文章です。(2)の解説の通り、高血圧のときと逆の事象が起きます。
「ナトリウムイオンの低下」=「血漿浸透圧の低下」=「循環血液量減少」=「低血圧」
(4) 細胞内液量が〔
増加 〕する。
前述の通り、血漿浸透圧が低下しているので水分は「血管内から血管外へと移動」します。
ここでいう血管外は細胞間液や細胞内液を指すので細胞内液量は増加します。
反対に循環血液量は低下します。(←故に血圧が下がる)
(5) 尿量が〔
わずかに減少(または, ほぼ変わらない) 〕する。
少し難しいですが(4)の解説をもとに考えてみるとわかりやすいと思います。
循環血液量が減ると腎臓に濾過されに行く血液量も減ります。
腎臓に流入する血液が減るので、そこから作られる尿量も“ごくわずかに”減ります。
教科書によっては「尿量は変わらない」とも記載されています。
※正文例を作るのに悩みましたが、少なくとも「増加」はしません。
ちなみに、ある程度勉強が進んできた人の場合、
・選択肢(1)と(2)は同じことを言っている
・選択肢(3)は(1)&(2)と逆のことを言っている
正しいものをひとつ選ぶ問題の性質上(3)しかあり得ない。
と考えて解くこともできます。
(4), (5)がわからなくても解ける可能性が上がる。
文責:アヒル