(1)
生体内で7–デヒドロコレステロールから合成される。
根本的に誤りです。7–デヒドロコレステロールから合成されるビタミンは「
ビタミンD」です。
ビタミンEは生体内でほとんど合成されず、そのメカニズムが出題されることも無いと考えて良いでしょう。
〇(2) 膜脂質の酸化を抑制する。
正しい文章です。ビタミンEは脂溶性のビタミンであり、なおかつ抗酸化作用を有しているため、
生体内では、細胞膜などの脂質成分の酸化抑制(抗酸化)を担っています。
(3)
ビタミンEラジカルはビタミンCにより、ビタミンEに変換される。
(2)の解説のとおり、ビタミンEは生体内で脂溶性成分の抗酸化を担っています。
そして抗酸化作用とは、「
他の成分の代わりに自身が酸化されること」なので、
ビタミンEは抗酸化作用を発揮したあと、ビタミンEラジカル(≒酸化型ビタミンE)になります。
ビタミンCは抗酸化作用を持つ水溶性のビタミンで、ビタミンEラジカルを元に戻す作用があります。
一見するとビタミンCとビタミンEは、水溶性vs脂溶性で相性が悪そうですが
「ビタミンという仲間同士助け合っている」と割り切って覚えると良いでしょう。
脂溶性成分 ←脂溶性仲間→ ビタミンE ←ビタミン仲間→ ビタミンC
(4) 欠乏すると、〔
溶血性貧血 〕を引き起こす。
未熟児などでない限り、溶血性貧血すらほとんど生じません。
この問題では直接関係ありませんが〔
悪性貧血 〕の原因が〔
ビタミンB12の吸収障害 〕であることをおさえておいた方が良いでしょう。
(5) 摂取量が必要量を超えると、速やかに尿中へ〔
排泄されない 〕。
これも根本的に誤りです。ビタミンEは脂溶性ビタミンであり、
速やかに排泄される水溶性ビタミンとは異なり、体内に蓄積しやすい性質を持っています。
文責:アヒル