38-119 たんぱく質・エネルギー栄養障害患者に栄養管理を開始し、 1 週間後に栄養状態を評価したところ、栄養状態の改善がみられた。この時の栄養アセスメントの結果である。

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38-119 たんぱく質・エネルギー栄養障害患者に栄養管理を開始し、 1 週間後に栄養状態を評価したところ、栄養状態の改善がみられた。この時の栄養アセスメントの結果である。最も適当なのはどれか。 1つ選べ。

 

⑴ 上腕三頭筋皮下脂肪厚の増加

⑵ 上腕筋囲の増加

⑶ 血清アルブミン値の上昇

⑷ 血清トランスサイレチン値の上昇

⑸ 血中CRP値の上昇

 

厚生労働省. 『第38回管理栄養士国家試験の問題(午後の部)』(2024) .

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001218344.pdf, (2024年10月13日閲覧)

 

解答・解説を見る

 

臨床栄養学の問題として出題されていますが、

問われている内容自体は応用栄養学の問題と同様です。

動的栄養アセスメント指標はどれか?」や

静的栄養アセスメント指標はどれか?」と問われれば答えられる人も多いと思います。

 

この問題は「栄養管理を開始し、 1 週間後に栄養状態を評価した」とあるので

まず大前提として【動的栄養アセスメント指標はどれか?】が問われています。

その上で、「栄養状態の改善」が見られる項目を考えると簡単に解けると思います。

選択肢を順番に見ていきましょう。

 

⑴ 上腕三頭筋皮下脂肪厚の増加

静的栄養アセスメント指標です。

確かに栄養状態の改善が見られれば「上腕三頭筋皮下脂肪厚」は増加しますが

さすがに1週間では変化しません。

※自分自身の体で想像してみれば、
「1週間程度で二の腕の脂肪が増えたり減ったりするわけない!」とすぐにわかると思います。

 

⑵ 上腕筋囲の増加

静的栄養アセスメント指標です。

(1)と同様に、栄養状態の改善が見られれば、筋量が増加し「上腕筋囲」は増加しますが

1週間では変化しません。

※これも自分自身の体で想像してみれば、
「1週間程度で筋肉なんて増えねぇ!」とすぐにわかると思います。

 

⑶ 血清アルブミン値の上昇

静的栄養アセスメント指標です。

アセスメント指標関連の問題で頻出の検査項目ですが、

血清アルブミン値の半減期は2〜3週間程度と長く、「静的栄養アセスメント指標」として扱われます。

 

⑷ 血清トランスサイレチン値の上昇

→正しい選択肢です。血清トランスサイレチン値は「動的栄養アセスメント指標」に分類されます。

血清トランスサイレチン値は、半減期が2〜3日と短く

栄養状態が上向けば、1週間で十分に測定値として反映されるので正答となります。

※解説最後の関連問題(38-74)の解説もご覧ください。

 

⑸ 血中CRP値の上昇

→血中のCRP値は「動的栄養アセスメント指標」ですが、

この値が反映するのは「栄養状態」ではなく、「炎症反応」や「組織の障害(破壊)」などです。

したがって、「誤り」となります。

 

というわけで、全て見てみると

動的栄養アセスメント指標はどれか?」または

静的栄養アセスメント指標はどれか?」を区別できるだけで

(4)と(5)の2択にでき、

トランスサイレチン栄養状態
CRP炎症と、わかれば解ける問題でした。

動的栄養アセスメント指標(RTPなど)については、

下記の問題で解説しているので併せてご覧ください。

38-74 たんぱく質・アミノ酸の代謝に関する記述である。

38-82 栄養アセスメントに関する記述である。

 

文責:アヒル


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