39-171, 172, 173 K市保健センターに勤務する管理栄養士である。乳幼児相談において、男児(8か月、第一子)の母親からの相談に応じている。 母親は、授乳や離乳食の与え方が適切かどうか自信がなく、男児の発育の状態を心配している。夫は育児に協力的だが、昼間は母親と男児の2人でおり、引っ越してきたばかりで近所に知り合いはいない。

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39-171, 172, 173  次の文を読み「171」、「172」、「173」に答えよ。

K市保健センターに勤務する管理栄養士である。乳幼児相談において、男児(8か月、第一子)の母親からの相談に応じている。

母親は、授乳や離乳食の与え方が適切かどうか自信がなく、男児の発育の状態を心配している。

夫は育児に協力的だが、昼間は母親と男児の2人でおり、引っ越してきたばかりで近所に知り合いはいない。

 

39-1711は、男児の出生時からの身長と体重の変化を、母親が母子健康手帳の乳児身体発育曲線の図に記録したものである。図から読み取った結果を踏まえた、母親への管理栄養士の発言として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

⑴ 身長、体重ともに成長に心配があります。

⑵ 身長の伸びに心配があります。

⑶ 身長に対して、体重が少ないようです。

⑷ 身長、体重ともに順調に成長しています。

 

39-1722は、男児の授乳と離乳の状況を聞き取った内容である。この内容を踏まえた、母親への管理栄養士の助言として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

⑴ 離乳食の全卵は、もう少し月齢が進んでからにしましょう。

⑵ 授乳の回数が少ないので、回数を増やしましょう。

⑶ 不足しがちな栄養素を補うため、フォローアップミルクを与えましょう。

⑷ 月齢や成長・発達の段階に応じた与え方ができています。

 

39-173 今後に向けた、母親への管理栄養士の助言である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

⑴ お子さんの成長を確認するため、身長と体重を毎日計測してはいかがでしょうか。

⑵ 不安なことがあれば、インターネットで検索してみてはいかがでしょうか。

⑶ 保健センターで行う離乳後期向けの教室で、仲間づくりをしませんか。

⑷ お母さんが心配しすぎるのは、お子さんにとってもあまり良くないですよ。

 

厚生労働省. 『第39回管理栄養士国家試験の問題(午後の部)』(2025) .

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001428961.pdf, (2025年8月17日閲覧)

解答・解説を見る

 

 

39-1711は、男児の出生時からの身長と体重の変化を、母親が母子健康手帳の乳児身体発育曲線の図に記録したものである。

図から読み取った結果を踏まえた、母親への管理栄養士の発言として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

⑴ 身長、体重ともに成長に心配があります。

⑵ 身長の伸びに心配があります。

⑶ 身長に対して、体重が少ないようです。

⑷ 身長、体重ともに順調に成長しています。

 

図1を見ると身長と体重は、成長曲線の下限に近いものの範囲内にあるのでそれぞれ問題はない

ただし、「身長は成長曲線の上限体重は成長曲線の下限」など著しく成長に差がある場合

何か原因があるのではないか?と考える必要がある。

(3)の判断材料としては大まかに範囲の中央(50パーセンタイル値)を基準

身長は上体重は下など明確に乖離がなければ、国試では気にしなくても良い。

また、「6ヶ月→8ヶ月で身長は伸びているが、体重は増加なし」などの場合は「体重に懸念あり」となる。

 

 

39-1722は、男児の授乳と離乳の状況を聞き取った内容である。この内容を踏まえた、母親への管理栄養士の助言として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

必ずしも月齢だけで区切る必要はないが、生後8ヶ月離乳中期に該当する

これをベースに検討する必要がある。

 

⑴ 離乳食の全卵は、もう少し月齢が進んでからにしましょう。

全卵離乳中期から与えて良いので、アレルギーなど回避する理由がなければ延期する必要はない

 

⑵ 授乳の回数が少ないので、回数を増やしましょう。

図2の中に、授乳は欲しがるときにあげているとあり、

不足していると判断する根拠がない

 

⑶ 不足しがちな栄養素を補うため、フォローアップミルクを与えましょう。

図1の成長曲線から、成長に問題ないことが考えられ、栄養素の不足はないと考えられる。

また、図2からも授乳量も離乳食量も問題ないと考えられるため

フォローアップミルクを積極的に選択する必要はない

 

⑷ 月齢や成長・発達の段階に応じた与え方ができています。

(1)〜(3)の解説の通り、現状問題点はないので、母親への助言としては(4)が最も適している

 

 

39-173 今後に向けた、母親への管理栄養士の助言である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

⑴ お子さんの成長を確認するため、身長と体重を毎日計測してはいかがでしょうか。

毎日身長と体重を計測させることは、かえって母親への不安を煽ることになり不適切である。

毎日、体重が1kg増えたり、身長が1cm伸びたりはしないので、

毎日測定することで、今日も成長していないと深刻に悩む可能性が高い

 

⑵ 不安なことがあれば、インターネットで検索してみてはいかがでしょうか。

インターネット上の情報にはさらに不安を煽るような情報もあり、安易に「ネット調べれば良い」と伝えるだけでは不適切である。

 

⑶ 保健センターで行う離乳後期向けの教室で、仲間づくりをしませんか。

問題文にわざわざ「昼間は母親と男児の2人でおり、引っ越してきたばかりで近所に知り合いはいない。」と書かれていることからもわかるように

この母親は、実際は問題がなく悩む必要がないことを一人で悩んでいる状態である。

そのため、この母親に必要なものは情報や知識ではなく

普段から気軽に相談できる相手(ママ友など)が必要であると考えられる。

 

⑷ お母さんが心配しすぎるのは、お子さんにとってもあまり良くないですよ。

実際に心配しすぎるのは良くないが、この母親に「悩むな」と伝えたところで改善するとは考えにくい

また、「子供にとって良くない」という言葉はさらに母親を追い詰める可能性があり

「悩んじゃいけないのに悩んでしまう。このままでは子供に良くない・・・。」と、悩みの種が増えるだけの可能性もある

 

文責:アヒル


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