38-78 血中カルシウム濃度の低下時にみられる生体応答に関する記述である。

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38-78 血中カルシウム濃度の低下時にみられる生体応答に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

⑴ カルシウムの腸管吸収率が下がる。

 

⑵ 活性型ビタミンDの産生が抑制される。

 

⑶ 骨吸収が促進される。

 

⑷ 尿細管でのカルシウムの再吸収が抑制される。

 

⑸ カルシトニンの分泌が促進される。

厚生労働省. 『第38回管理栄養士国家試験の問題(午前の部)』(2024) . https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001218343.pdf, (2024年7月12日閲覧)

 

解答・解説を見る

血中カルシウム濃度低下の問題ですが、考え方は血糖値と同じです。
低下したら「正常値まで上げる」、上昇したら「正常値まで下げる
これをホメオスタシス(恒常性)と言います。
言われてみれば当たり前のことですが、これを意識して問題を見ると学習効率が上がります。

 

(1) カルシウムの腸管吸収率が〔 上がる 〕。

血中カルシウム濃度は低下しているので上げなければいけません。

そのときに小腸から(食物から)のカルシウム吸収は増やすべきでしょうか?減らすべきでしょうか?

当然増やすべきですよね。したがって吸収率は上がります。

 

(2) 活性型ビタミンDの産生が〔 促進 〕される。

活性型ビタミンDのはたらきの一つに「腸管でのカルシウム吸収効率を上げる」というものがあります。

(1)をもとに考えると、活性型ビタミンDはたくさん作るべきでしょうか?合成を抑制すべきでしょうか?

当然、「促進されるべき」となります。

※メカニズムとしては「副甲状腺ホルモン(PTH)によって腎臓でのビタミンDの活性化が進む。」などありますが

「血中カルシウム濃度を上げるためにどうするか?」を考える方がわかりやすいと思います。

 

(3) 骨吸収が促進される。

正しい文章です。低下した血中カルシウム濃度を上昇させるために「骨吸収(骨を削る)」が促進されます。

「骨吸収」と「骨形成」で混乱しがちですが「骨を形成」する方を覚えればなんとか区別がつくと思います。

 

(4) 尿細管でのカルシウムの再吸収が〔 促進 〕される。

「尿細管で再吸収する」=「尿として捨てずに体内に戻す」ということなので

血中カルシウム濃度が下がっているときに「再吸収して体内に戻すべき」でしょうか?「再吸収せずに体外へ捨てるべき」でしょうか?

当然ながら体内に戻さないといけませんよね。したがって「再吸収は促進」されます。

 

(5) カルシトニンの分泌が〔 抑制 〕される。

カルシトニンは「骨形成」にはたらくホルモンです。つまり血中のカルシウムを骨に貯蔵する働きがあります。

くどいようですが、血中カルシウム濃度が下がっているときに

「血中のカルシウムをどんどん骨に貯蔵すべき」でしょうか?「貯蔵を一旦止めるべき」でしょうか?

当然、後者ですよね。したがって骨形成に働く「カルシトニンの分泌は抑制」されます。

 

文責:アヒル


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