⑴ 油脂の酸敗は、光により〔 促進 〕される。
油脂の酸敗の原因として「酸素」「光」「熱」「金属イオン」などが挙げられます。
酸敗の結果、過酸化脂質、アルデヒドやケトンが生成されます。
⑵ 過酸化物価は、油脂の酸敗で生じる〔 過酸化物量 〕の指標である。
過酸化物価は油脂の酸敗で生じる過酸化物の量を計る指標である。
選択肢中のアルデヒドの量の指標は「カルボニル価」である。
油脂の酸敗では、過酸化物が先に生成され、
過酸化物の酸化が進むとアルデヒドやケトンへと変換されこれらの量が増え、過酸化物は減る。
したがって過酸化物価は「酸敗初期の指標」として用いられる。
〇⑶ りんごの切断面の褐変は、ポリフェノールオキシダーゼの触媒作用が関与している。
正しい文章です。りんごの褐変は、りんごに含まれる「ポリフェノールオキシダーゼ」という酵素によるものです。
「オキシダーゼ」という酵素は、空気中の酸素など酸素分子を用いて「酸化」を起こす酵素なので
「りんごが空気に触れない状態」=「水中」などでは反応が進みません。
そのため、切ったりんごは褐変防止で水につけておいたりします。
また、「レモン汁を加えた水に漬ける」理由は細々とありますが
「ビタミンC(酸化防止剤)を使っている。」くらいに覚えておけばわかりやすいと思います。
同様に、食塩水を用いるのはナトリウムイオンが関与しているのですが長くなるので割愛します。
⑷ ヒスタミンは、ヒスチジンの〔 脱炭酸反応 〕により生成する。
アミノ酸が脱炭酸(–COOHが外れる)すると、「生理活性アミン」が生成されます。
生理活性アミンには「ドーパミン」,「アドレナリン」, 「セロトニン」,
「γ-アミノ酪酸(GABA)」,「ヒスタミン」などがある。
ヒスタミンは体内でアレルギー反応を進める生理活性物質ですが、
鯖などの赤身魚の食肉中にはヒスチジンが多く含まれており、
魚の死後、細菌によってヒスチジンはヒスタミンへ変換され、そのまま魚肉中に蓄積されます。
この「ヒスタミンの塊」となった魚肉を食べることで
強制的にアレルギー反応が起き中毒症状を起こします。これがヒスタミン食中毒です。
ヒスタミン自体はアレルゲンではないので「仮性アレルゲン」と言われます。
⑸ わが国では、γ線照射による殺菌が認められている。
日本で!食品への放射線照射が認められているのは!
「コバルト60によるγ線(ガンマ線)のみ!!」
用途は「じゃがいもの発芽予防のみ!!」
国試に出る「コバルト」はγ線によるじゃがいもの発芽予防と
「ビタミンB12」の構成成分(金属を含むビタミンはこれだけ!)しか出ない!
必ず覚えよう!!!!!
類似問題
37-51 (準備中)
36-51 食品成分の変質に関する記述である。
文責:アヒル