38-96 運動・スポーツと栄養管理に関する記述である。

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38-96 運動・スポーツと栄養管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

 

⑴ グリコーゲンローディングは、瞬発力を必要とする短時間の競技に適している。

⑵ 運動後のたんぱく質と炭水化物の摂取は、筋損傷の回復に効果的である。

⑶ 溶血性貧血の主な原因は、銅の摂取不足である。

⑷ 瞬発力を必要とする短時間の競技直前には、高脂肪食を摂取する。

⑸ 女性アスリートの3主徴は、葉酸の十分な摂取により予防できる。

 

厚生労働省. 『第38回管理栄養士国家試験の問題(午後の部)』(2024) .

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001218343.pdf, (20241025日閲覧)

 

解答・解説を見る

 

⑴ グリコーゲンローディングは、〔 持久力を必要とする長時間 〕の競技に適している。

グリコーゲンローディングは、運動の数日前から、体内、特に筋肉中のグリコーゲン貯蔵量を高め、持久力を高める方法である。

グリコーゲンは脂質と比べて素早くエネルギー源として利用できるため、

スポーツにおいて有効なエネルギー源であり、高い運動能力を得るためにグリコーゲンローディングが行われる

また、一度グリコーゲンが枯渇してしまうと回復に時間がかかるため、

枯渇を防いで疲労回復を早める方法としても用いられる。

・本番の数日前から炭水化物の摂取を増やす方法

・本番の数日前に一旦、筋グリコーゲンを枯渇させ、その後、炭水化物の摂取を増やす方法

などでいくつかの方法で、筋肉中のグリコーゲン蓄積量を増やす。

 

⑵ 運動後のたんぱく質と炭水化物の摂取は、筋損傷の回復に効果的である。

正しい文章である。

運動後に炭水化物の摂取をしていないと、筋グリコーゲンを回復するために脂肪や筋肉が分解されてしまう

また、運動による筋損傷を回復させるためにはたんぱく質が必要である。

 

⑶ 溶血性貧血の主な原因は、〔 足底部の強い衝撃 〕である。

溶血性貧血何らかの要因で赤血球が破壊されることで起きる

スポーツが原因の溶血性貧血は、足の裏に強い衝撃を受けることによって赤血球が破壊され生じる

バレーボールや剣道、マラソンなどの長時間にわたって足裏を打ちつけることの多い競技で溶血性貧血になりやすい

 

⑷ 瞬発力を必要とする短時間の競技直前には、〔 高炭水化物食 〕を摂取する。

運動時にエネルギー源として利用される栄養素は、運動の種類、強度、時間などにより異なる。

瞬発力が必要な短時間の競技(=無酸素運動)では、酸素を利用しない嫌気的解糖系によってエネルギー産生が行われる。

嫌気的解糖ではグルコースや筋グリコーゲンを材料にATPを産生するため、

直前の摂取が効果的なのは高脂肪食ではなく高炭水化物食である。

有酸素運動の時には、TCA回路・電子伝達系でのATP産生が行われ、材料にはグリコーゲンだけでなく脂肪酸も含まれる。

 

⑸ 女性アスリートの3主徴は、〔 エネルギー 〕の十分な摂取により予防できる。

女性アスリートの3主徴は、

利用エネルギー不足、② (視床下部性)無月経、③骨粗鬆症であり、これらの主徴は相互に影響している。

この3主徴の根本の原因となるのが

①利用可能エネルギー不足(運動で消費するエネルギー量が、食事などで摂取するエネルギー量を上回っている状態)である。

②無月経の原因は、エネルギー不足、体重減少などであり、

③骨粗鬆症の原因もエネルギー不足による低栄養、骨形成の低下などである。

さらに、②視床下部性無月経が卵巣委縮につながり、エストロゲン分泌低下によって骨量にも影響する。

つまり、3つすべての予防に必要なものがエネルギーの摂取である。

 

文責:アヒル(O)


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