38-45 鶏卵に関する記述である。

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38-45 鶏卵に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

⑴ ハウユニットは、濃厚卵白の高さを直径で除して算出する。

⑵ 完全に凝固する温度は、卵白より卵黄の方が高い。

⑶ 卵黄は、ビタミンCを多く含む。

⑷ 卵黄のたんぱく質の大部分は、脂質と結合したリポたんぱく質である。

⑸ リゾチームは、鉄結合性のたんぱく質である。

 

厚生労働省. 『第38回管理栄養士国家試験の問題(午前の部)』(2024) . https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001218343.pdf, (2024年7月13日閲覧)

 

解答・解説を見る
(1) 〔 卵白係数 〕は、濃厚卵白の高さを直径で除して算出する。

濃厚卵白とは生卵を割ったときに黄身の周りにある、ぷっくりと盛り上がった卵白のことを指し

濃厚卵白の外側にある水っぽい部分を「水様卵白」といいます。

濃厚卵白は卵の鮮度が落ちるに従って、水様卵白と区別がつかなくなっていき、盛り上がりもなくなってきます。

結果的に、卵白部分は盛り上がらずに、ベチャッと広がるようになります。従って

「濃厚卵白」 = 高さがあるほど新鮮

「卵白の直径」= 狭いほど新鮮(広がると古い卵) となります。

これらの性質を用いたのが「卵白係数」で「濃厚卵白の高さ」÷「卵白の直径」で計算し、数値が大きほど「新鮮な卵」となります。

ハウユニットも新鮮さをみる指標であることは同じですが濃厚卵白の高さと「割る前の殻付きの卵の重さ」で計算します。

ただし、log計算が出てきたりしてややこしいので、今回のように計算式を聞いてきたり計算しなさい。という問題は出ないと思います。

 

(2) 完全に凝固する温度は、卵白より卵黄の方が〔 低い 〕。

卵黄は70°C以上で凝固し、卵白は80°C以上で凝固します。

自宅でゆで卵を作るときなどは最終的に100°Cのお湯で茹でることになるので卵黄, 卵白ともに固まります。

熱がかかる順番としては卵白→卵黄となるので、途中で加熱をやめると卵黄が固まっていない半熟卵が出来上がります。

一方で、70°C弱のお湯(温泉)につけておくことで、

卵白は固まらず、卵黄だけがいい感じに固まり出来上がるのが「温泉卵」です。

普通に沸騰させて作ったら外側(卵白)から固まる。温泉(沸騰していない温度)で茹でると真ん中(卵黄)から固まる。」と覚えると

卵黄の方が低い温度で固まる覚えやすいかなと思います。

 

(3) 卵黄は、〔 ビタミンCを含まない 〕。

卵白にも含みません。鶏卵は途中で中を開けて栄養素を補充することなどができないので

ひよこが産まれるまでに必要な全ての栄養素を入れておく必要があります。よってビタミン類などを入れておく必要がありますが

ビタミンCは「ヒヨコ自身が体内でグルコースなどから合成できる」ので

あらかじめ卵に入れる必要がなく、含有量ゼロとなっています。

 

(4) 卵黄のたんぱく質の大部分は、脂質と結合したリポたんぱく質である。

正しい文章です。卵黄のたんぱく質の大部分はLDL(低密度リポたんぱく質)です。

また卵黄といえばリン脂質!というイメージがありますが、

最も多く含まれる脂質は「トリグリセリド」です。

 

(5) 〔 オボトランスフェリン 〕は、鉄結合性のたんぱく質である。

選択肢内のリゾチームは溶菌作用を持つたんぱく質です。

ヒトの生体内でも「トランスフェリン」という鉄結合性のたんぱく質があるのでそれと関連させる覚えやすいと思います。

ちなみに「オボ〜」は全て「卵の〜」という意味なので、

オボムチン=卵のムチン

※ムチン=ヒトの粘膜やウナギのヌルヌル,ネバネバの成分なので

泡立たせづらそうですが、一度泡立つとずーっと泡として残りそうですよね。

なのでオボムチンは「泡の安定性」に関与します。

その他、下記の「オボ〜」達は「気泡性」に関与します。

オボアルブミン、オボトランスフェリン、オボグロブリン

 

文責:アヒル


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