⑴ 炭水化物の摂取エネルギー比率を〔 60%E以上 〕とする。
(2)の選択肢の通り、高キロミクロン血症では脂肪からの摂取エネルギー比率を制限するが、
炭水化物65%Eは高すぎる。炭水化物過剰で、却って脂肪合成を促進してしまう可能性がある。
炭水化物50〜60%E、たんぱく質13〜20%E程度とされている。
脂肪が15%E以下なので合計しても100%Eにならないことに触れてはいけない。
必要に応じて中鎖脂肪酸などの活用も検討する必要がある。
〇⑵ 脂肪の摂取エネルギー比率を15%E以下とする。
正しい。35-122(5)に正答としてそのまま出題されている。
また34-122(5)には誤りとして出題されている。
高キロミクロン血症では、脂肪からの摂取エネルギー比率を15%E以下に制限する。
その他の脂質異常症では脂肪を20~25%E程度に制限するので、区別が必要である。
⑶ n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取を〔 積極的に摂取する 〕。
EPAやDHAなどの、n-3系脂肪酸は、
脂肪合成の抑制につながるため積極的に摂取するべきである。
⑷ 果汁飲料の摂取を〔 減らす 〕。
果汁飲料には、果糖(フルクトース)または、果糖ぶどう糖液糖が多く含まれている。
果糖(フルクトース)は、肝臓での脂肪酸合成を促進するため、
高キロミクロン血症では摂取しない方が望ましい。
⑸ アルコールの摂取量〔 を極力減らす 〕。
アルコールは、脂肪合成を促進し、VLDLやキロミクロンの増加につながるため、
高キロミクロン血症の患者では禁酒または、できるだけアルコール摂取を減らす必要がある。
そもそも健康な成人で推奨される飲酒量は、純アルコール換算で20g程度である。
そのため、国家試験の問題でそれよりも過剰にアルコールを摂取していいという選択肢が出題されるわけがない。
これくらいは飲んでもいいじゃん。いいじゃん。
文責:アヒル