39-120 高キロミクロン血症の栄養管理に関する記述である。

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39-120 高キロミクロン血症の栄養管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

⑴ 炭水化物の摂取エネルギー比率を65%E以上とする。

⑵ 脂肪の摂取エネルギー比率を15%E以下とする。

⑶ n3系多価不飽和脂肪酸の摂取を制限する。

⑷ 果汁飲料の摂取を増やす。

⑸ アルコールの摂取量の上限を40g/日とする。

厚生労働省. 『第39回管理栄養士国家試験の問題(午後の部)』(2025) .

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001428961.pdf, (2025年4月20日閲覧)

解答・解説を見る

⑴ 炭水化物の摂取エネルギー比率を〔 60%E以上 〕とする。

(2)の選択肢の通り、高キロミクロン血症では脂肪からの摂取エネルギー比率を制限するが、

炭水化物65%Eは高すぎる。炭水化物過剰で、却って脂肪合成を促進してしまう可能性がある。

炭水化物50〜60%Eたんぱく質13〜20%E程度とされている。

脂肪が15%E以下なので合計しても100%Eにならないことに触れてはいけない。

必要に応じて中鎖脂肪酸などの活用も検討する必要がある。

 

⑵ 脂肪の摂取エネルギー比率を15%E以下とする。

正しい。35-122(5)に正答としてそのまま出題されている。

また34-122(5)には誤りとして出題されている。

高キロミクロン血症では、脂肪からの摂取エネルギー比率を15%E以下に制限する。

その他の脂質異常症では脂肪を20~25%E程度に制限するので、区別が必要である。

 

⑶ n3系多価不飽和脂肪酸の摂取を〔 積極的に摂取する 〕。

EPADHAなどの、n-3系脂肪酸は、

脂肪合成の抑制につながるため積極的に摂取するべきである。

 

⑷ 果汁飲料の摂取を〔 減らす 〕。

果汁飲料には、果糖(フルクトース)または、果糖ぶどう糖液糖が多く含まれている。

果糖(フルクトース)は、肝臓での脂肪酸合成を促進するため、

高キロミクロン血症では摂取しない方が望ましい

 

⑸ アルコールの摂取量〔 を極力減らす 〕。

アルコールは、脂肪合成を促進し、VLDLキロミクロンの増加につながるため、

高キロミクロン血症の患者では禁酒または、できるだけアルコール摂取を減らす必要がある。

 

そもそも健康な成人で推奨される飲酒量は、純アルコール換算で20g程度である。

そのため、国家試験の問題でそれよりも過剰にアルコールを摂取していいという選択肢が出題されるわけがない

これくらいは飲んでもいいじゃん。いいじゃん。

 

文責:アヒル


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