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平成28年の診療報酬改定に伴って、てんかん食が新たに加算の対象となりました。
以下が、改正案の一文となります。
二 入院時食事療養及び入院時生活療養の食事の提供たる療養に係る特別食
疾病治療の直接手段として、医師の発行する食事箋に基づき提供された適切な栄養量及び内容を有する腎臓食、肝臓食、糖尿食、胃潰瘍食、貧血食、膵臓食、脂質異常症食、痛風食、てんかん食、フェニールケトン尿症食、楓糖尿症食、ホモシスチン尿症食、ガラクトース血症食、治療乳、無菌食及び特別な場合の検査食(単なる流動食及び軟食を除く。)
目次
てんかん食とは?
てんかん食とは、ケトン食ともいわれる食事療法で法令では、以下のように述べられています。
てんかん食とは、難治性てんかん(外傷性のものを含む。)の患者に対し、グルコースに代わりケトン体を熱量源として提供することを目的に炭水化物量の制限及び脂質量の増加が厳格に行われた治療食をいう。ただし、グルコーストランスポーター欠損症又はミトコンドリア脳筋症の患者に対し、治療食として当該食事を提供した場合は、「てんかん食」として取り扱って差し支えない。
てんかん食を提供する主な疾患について
・難治性てんかん
難治性てんかんについての正式な定義はいまだに無いが、難治性てんかんでは、「てんかん発作」といわれる脳神経細胞の異常な興奮による発作に対して、適切な薬を投与しても症状が抑制されない。
このような難治性てんかんに対して「ケトン食」が有効であるとされているが、この理由としてケトン体の抗てんかん作用もしくはケト―シスによる抗けいれん作用がある。しかし、いまだその作用機序は明らかではない。
・グルコーストランスポーター欠損症
グルコーストランスポーター1(GLUT-1)欠損症は、脳のエネルギー源であるグルコースが脳内に取り込まれないことにより生じる病気である。
症状は、痙攣、無呼吸、筋緊張の低下、運動失調など様々である。
食事療法として、グルコースの代わりにケトン体で脳へのエネルギーを供給する必要がある。
・ミトコンドリア脳症
ミトコンドリアの機能障害によるエネルギー代謝障害である。ミトコンドリア脳症では、様々な症状が現れるが、症状や病態によってケトン食を適用する。
ミトコンドリア脳症では①バランスの良い食事、②ビタミンが豊富な食事となるように注意する。
参考・引用文献
1.厚生労働省「入院時食事療養費に係る食事療養及び入院時生活療養費に係る生活療養の実施上の留意事項について(平成18年3月6日保医発第0306009号)」の一部改正について
2.難病情報センター「グルコーストランスポーター1欠損症」(http://www.nanbyou.or.jp/entry/4453)2016/11/03アクセス
3.難病情報センター「ミトコンドリア脳症」(http://www.nanbyou.or.jp/entry/335)2016/11/03アクセス
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