(1) 原発性骨粗鬆症は、脆弱性骨折がない場合には、骨密度が若年成人平均値
(YAM)の〔
70%以下 〕で診断される。
36回の36に登場したYAMの問題です。今回はより具体的に?%まで問われています。
が、そこまで無理して覚えるような指標ではないと思います。
骨粗鬆症の診断には骨密度が用いられますが、
このとき、健康な若い人を基準(YAM:若年成人平均値)とし、基準の何%かを判定に用います。
「脆弱性骨折がない場合」→YAM70%未満で骨粗鬆症
「脆弱性骨折がある場合」→YAM80%未満で骨粗鬆症
※脆弱性骨折があるので判定を厳しめにする。
(2) 骨軟化症では、血清カルシウム値は基準よりも〔
低値 〕である。
骨軟化症はビタミンDの欠乏症やカルシウムの欠乏症として出題されることもあります。
骨軟化症はカルシウム不足(欠乏)が原因で生じるもので、骨たんぱく質(コラーゲン)ばかりが存在し、
骨塩(カルシウム類)が割合的に足りていない状態です。よって「血清カルシウム値」は低下しています。
また、コラーゲン(弾力のあるたんぱく質)ばかりになり
カルシウム類が不足しているので「軟らかい骨になっている」と覚えるといいと思います。
対照的に、骨粗鬆症は血清カルシウム値は正常範囲内です。
これは骨を削ってカルシウムを取り出し、血清カルシウム量を維持しているからです。
イメージとしては、骨を削るので骨たんぱく質(コラーゲン)も骨塩(カルシウム類)もまとめて少なくなっています。
骨全体が少なくなり、細い細い骨になるので骨折しやすい。と考えましょう。
(3) 変形性関節症の早期治療は、〔
保存療法(手術をしない) 〕を基本とする。
早期治療では、痛みなどを和らげ、進行を遅らせる「保存療法」をおこないます。
医師の「抗炎症剤や減量で少し様子をみましょうか」というやつです。
抗炎症剤、運動、ヒアルロン酸(関節液)の注入などを行なっても
解決しない場合に「手術療法」を検討します。
関節の疾病の早期治療で手術ってなかなかないよね。切りたがりじゃん。
(4) 栄養不良に伴うサルコペニアは、〔
二次性サルコペニア 〕である。
そもそもサルコペニアとは「高齢になるに伴い、骨格筋の量が低下し、筋力や身体機能が低下した状態。[1]」を指すので
加齢に伴う筋力低下を「一次性サルコペニア」と呼びます。
一方で加齢以外が原因のサルコペニアを「二次性サルコペニア」と呼び
栄養不良や疾患由来のものがこちらに含まれます。
〇(5) ロコモティブシンドロームの判定には、「2ステップテスト」が用いられる。
正しい文章です。2ステップテストは歩幅を調べるテストで
すごくざっくりいうと「大股で2歩、あるいた時の歩幅」をみます。
ロコモになると大きく一歩踏み出すができなくなるので
歩幅が小さくなり、そこで判定します。(身長による補正もかけています)
2歩(2stp)の幅 ÷ 身長 = 2ステップ値 ※歩幅も身長も単位はcm
リンクは貼れませんがYouTubeで「2ステップテスト」と調べると色々出てきます。
一度見ておきましょう。
厚生労働省 e-ヘルスネット サルコペニア
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-087.html
(2024年8月1日閲覧)
関連問題
36-36 運動器系に関する記述である。
文責:アヒル