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30-次の文を読み「196」、「197」に答えよ。  K病院に勤務する管理栄養士である。糖尿病と初めて診断された患者を対象に希望者を募って…

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次の文を読み「196」、「197」に答えよ。
 K病院に勤務する管理栄養士である。糖尿病と初めて診断された患者を対象に希望者を募って、月1回の糖尿病教室を開催している。教室の食事改善効果を学会で発表しようと考えている。なお、研究倫理委員会の承認を得ている。


30-196 同じ月に糖尿病と診断されたが、教室に参加しなかった患者を対照群とすることにした。教室に参加した患者と同じ性、年齢の患者を抽出し、1か月後のHbA1c、BMI、食事内容の変化を比較した。この研究デザインに該当するものとして、正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)前後比較試験
(2)無作為化比較試験
(3)非無作為化比較試験
(4)症例対象研究
(5)症例研究(ケーススタディ)

 


30-197食事内容の変化から教室の効果を検討し、学会で発表した。結果にバイアスをもたらす事項として強調すべき、研究の限界である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)教室効果の検討として、1か月間の観察期間は短い。
(2)行動変容の準備性が、2群で異なった可能性がある。
(3)月1回の集団教育では、介入の強度が不十分である。
(4)1つの病因のデータであるため、一般化できない。

解答・解説を見る

30-196 同じ月に糖尿病と診断されたが、教室に参加しなかった患者を対照群とすることにした。教室に参加した患者と同じ性、年齢の患者を抽出し、1か月後のHbA1c、BMI、食事内容の変化を比較した。この研究デザインに該当するものとして、正しいのはどれか。1つ選べ。
正しいのは(3)非無作為化比較試験

◆非無作為化比較試験とは?
治療群(治療を行う群)と対照群(治療をせず観察のみの群)の2つの群に分ける際に無作為ではなく分ける研究。無作為化比較試験よりもエビデンスレベルが低い。


30-197食事内容の変化から教室の効果を検討し、学会で発表した。結果にバイアスをもたらす事項として強調すべき、研究の限界である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
最も適切なのは(2)行動変容の準備性が、2群で異なった可能性がある。

◆この研究では、糖尿病患者のうち「教室に参加した群」と「教室に参加していない群」にわけた。この場合、もちろん「教室に参加した群」では、糖尿病に対する行動変容の意志がある者の割合が高いと考えられる。このため、2群では行動変容の準備性が異なる可能性がある。

 


(1)前後比較試験
・集団にある治療を行い、介入前と介入後で病気の様子がどのように変化したかを比較する。
・対照群は設けない。
・患者の主観にも影響される。
・信頼性(エビデンスレベル)はあまり高くない。

(2)無作為化比較試験(ランダム化比較試験)
・コンピューターなどを使って無作為に群を分ける
・治療や検査法の有効性を客観的に調べることができる。
・信頼性が高い。

(3)非無作為化比較試験(非ランダム化比較試験)
・群を分ける際に無作為ではなく、検査を受けた群と受けてない群などで作為的にわける。
・無作為化比較試験よりも信頼性は低い。

(4)症例対照研究
・病気の患者を「症例」、病気でない患者を「対照」とする。
・同じ年齢や性別の群のなかで、ある病気を発症した人(症例)と発症していない人(対照)を分ける。
・群をわけて病気の原因を探る。

(5)症例研究(ケーススタディ)
・一つまたは一定の限られた数の複数の事例に焦点を当て、分析・考察し、ある問題や現象に関する理解を深める。
(ある事例について、分析・考察すること)
・時間がかかり、一般化が難しい。

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